jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

PhotoshopにもAI切り抜き機能が付いていた--CC2018以降で可能に

ディープフェイクが世の中では問題になっている。写真の合成技術で実際にありえない写真を作ったりしたところから始まり,現在はAI技術を使って映像や音声まで勝手な合成をしたデータが作られている。筆者もPCの恩恵を強く受けて仕事をしているが,映像の加工については一定の自己基準を持っており,ディープフェイクには立ち入らない フェイク画像・フェイク音声を作るAIなんて,もはや人新世(アントロポシーン)の終わり--AI新世の到来か - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/3/19。

 写真データの処理のために,Adobe Photoshopも長年使ってきた。ただ,筆者が使うのは全体の画質や色彩の調整のフィルターをかけてより正しい画像にする処理だけである。対象を切り抜いたり,不要箇所を消去したり,といった「真実」を曲げる可能性のある処理は一切してこなかった。切り抜いて背景を変えたり,組み合わせたりすることは,「写真」つまり「真実を写す」という定義と異なるからである。

 今回,「動物の集合写真」というテーマで作品を作る機会があった。複数の写真にそれぞれ1匹ずつ写った動物を切り抜いて1枚の画像にし,ワサワサと集まった感じの楽しい画面を作ろうとしているのである。

 動物の写真の切り抜きは,人物の切り抜きと同様,昔から難しい課題だった。商品写真のように幾何学的な形状であれば,ペンツールで多角形切り抜きやベジェ曲線での切り抜きで対応できた。しかし毛のようなチクチクした外形を切り抜くのはほぼムリだった。

 その御本家PhotoshopにAIによる「被写体を選択」という切り抜き機能が加わったのは,Adobe Photoshop CC 2018(19.1)のバージョンアップだということを,今回知った。何しろ筆者はデザイナーではないので,高額なプロ用ソフトを簡単にバージョンアップするほど需要がない。現在もかなり古いCS 2014を使用している。

 おそらくディープフェイクなどで使えるツールが世の中には出回っているのではないか,と検索したところ,オンラインツールやダウンロード版など,いろいろ出てきた。最終的に,個人利用ということでオンラインツールを使って,画像をアップロードして処理してもらい,これをダウンロードする,というツールを使ってみた。わずか数秒で切り抜き処理が行われ,数秒でダウンロードすることができた。

 そしてPhotoshopでの状況を見たところ,現在のサブスクリプト版の少し前のバージョンで,AI切り抜き機能が追加されたのを知ったのである。

 スマホアプリでも,不要な電線から不要な人物まで消してしまう機能が提供されている。インスタグラムなどにアップされている映像が,どこまで正しいのか疑っているので,基本的にその世界には立ち入らないことにしている。

 これらの切り抜き機能は,アンカーポイントと呼ばれる点が無限にあることから,ファイル容量が大きくなる。プロのデザイナーは,これを嫌って,できるだけアンカーポイントが少なくなるベジェ曲線による切り抜きをする職人魂があった。筆者もある程度,ベジェ曲線を使いこなせるようになったが,何しろ神経をすり減らす作業で,プロのデザイナーにはなれないな,と思っている。

 これに対して「マジックワンド」というツールで,切り抜き線を輪郭に吸着させることで対象を選択する方法もPhotoshopでは以前から提供されていた。これもなかなか一発で切り抜けることは少なく,微調整もなかなか難しかった。

 現在,ファイルサイズがどれだけ大きくなろうが,誰も困らなくなったこともあり,AIによる自動切り抜きも普通に行われるようになったようだ。

 さて,プロはこの「被写体を選択」ツールを使うのだろうか。聞いてみたいと思う。