【再エネ王国・北海道】牛の“ふん尿”が宝の山に?|NHK 北海道のニュース 2022/6/2にNHK北海道で放送された内容のようだが,全国ネットでは今朝7/25のニュースで知った。鹿追町では,糞尿から水素を作り出し,町の水素ステーションで“給気”できるようにしたそうだ。町の公用車も燃料電池車を購入した。一方,興部町では糞尿から出たメタンを水と反応させてメタノールにする技術を大阪大学との共同で実用化した。
ついこの間,微生物からプラスチック--水素細菌プロジェクトを国家レベルで進めることを再提案。太古の地球の原理に戻ろう - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/7/15 というニュースを紹介し,さらに,水素細菌ねぇ--まず電気分解水素でのインフラの確立が先決だが安定供給には必至の技術かも - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/5/13 という話題も提供した。
研究段階から地域の産業活性へとボトムアップが少し進んだようである。しかし,水素社会を作るにはインフラが欠かせない。EV車のインフラを作る方がやや容易な気がするが,これまでのガソリンスタンドのインフラを活用すれば水素インフラも不可能ではない。
ただ,燃料電池車がコストが下がらないこと,燃料電池に使うプラチナが限られた資源であること,水素を搭載して走ることに対する懸念があること,などを考えると,クルマはEV化の流れに乗るしかないので,EV車と電池の開発と,充電ステーションのインフラ整備,バッテリーのリサイクル,リユーズのサイクルを確立させることと並行して,EVに供給する電力源として石油火力や石炭火力から水素燃焼発電に切り替えることに最大限の投資をすべきだと思うのである。
すでに,中国から低価格のEV車の売り込みが始まっている。日産の軽EVであるSakuraのようなわかりやすいアプローチを日本でも進め,これに必要なインフラと,必要な電力供給源の話に展開すれば,いまさら旧原発を再稼働させるよりも,新しいインフラを作る方がよほど安全で長持ちする供給源になると思うのである。
まあ,家畜の糞尿から発生するメタンを直接燃やして発電するバイオマス発電も比較的簡単だが,これは二酸化炭素をまた排出してしまうので説得力に欠ける。今回の技術のように,水素まで格上げすることで,実用化の方向性が見えてくる。
実際,水素燃焼発電の設備ができれば,水素を国内,道内で製造するとともに,オーストラリアや赤道地域で太陽発電の電力を利用して電気分解した水素を運んで使うことも容易になる。
水素に対するアレルギーを人はどこかに持っているのかもしれないが,もうそろそろ真剣に取り組んでもいいのではないだろうか。筆者は,「水素」コールを発信したい派である。