jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

日本の医者は内科、皮膚科だけになるのではないか--外科、小児科、産科、感染症科の人材が足りない(私見です)

産科医が足りない、小児科医が激減している、救急救命センターの外科医が成り手がない--よく聞く話である。ドラマでは、その現場の緊張感がうまく表現され、やりがいのある仕事として描かれる。主役もイケメンや美女の若手俳優や歌手で、視聴率を稼ぎに行っている。

   筆者の好きなドラマである「Doctor X」は、米倉涼子さんのはまり役で、医療業界の闇を痛快にぶった切ってくれるので気持ちいいが、実際の外科医は過酷な仕事であり、特に救命救急センターの仕事ともなると、休む間もない。やりがいはあっても、肉体的、精神的に求められるタフさに、現場は限界に近い。

   新型コロナウイルスの患者の治療を担当する感染症専門の医師や看護師は,ゲリラ戦が行われている戦場で戦う兵士であり,戦場医師である。戦う相手は目に見えないウイルスで,目の前に運ばれた患者が強力な感染源でもあり,命を救わなければならない味方でもある,という非常に難しい立場に置かれている。世の中で,感染する最も高い危険な場所で仕事をされている。いつ自分たちも感染するかもしれないという危険と戦いながら,日々責任のある治療を提供しなければならない。

 医師や看護師にも家族がいる。仕事場から帰れば普通の家庭生活がある。そこで感染拡大をするわけにはいかない。感染拡大のリスクを少しでも下げるために,自宅に帰る日数を制限することも多い。大変な肉体的,精神的ストレスである。

 新型コロナウイルスが当初,未知のウイルスであった段階で,ニューヨークで医療崩壊が起きそうな状況になったとき,他州から多くの医師が応援に駆けつけた。自ら感染するリスクがあり,家族を説得してでも現場に向かう姿に感動を覚えた。

 日本では,流行が始まると一気に全国に感染が拡大した。各地で医療崩壊が起き,残念ながら他県に応援に行く余裕もなかった。病院への自衛隊看護グループ派遣 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/12/9。病院でクラスターが発生し,医療関係者も感染したことで,自衛隊の看護グループが旭川に派遣されたが,応援はこのとき1回だけだったように記憶する。その後,「時給何十万円」で医師が募集され,これに応募した医師もいたようである。自分の仕事以外には無関心という日本の医療のあり方に疑問が残る。

 命に直結する外科、小児科、産科、感染症科を目指す医師が減っている。患者の命の責任を取ることを回避しているようにも思える。代わりに内科や皮膚科には人が集まる。しかし,体調不良で診察を受けても,患者の顔も見ず,脈を取ったり熱を測ったりすることもなく,「お薬を出しておきますので様子をみてください」で1分間で診察が終わる,といったケースが多い。これならAIの方が診療ヒヤリングの項目も多く,そこから総合判定された方が安全な気持ちになる。単に,今流行っている○○と同じだな,と勘に頼って短時間で病名を決めてしまうのは,ハズレの確率も高いのではないか。処方される薬の量や期間も,なんとなく勘に頼っているような気がする。

 薬の処方も,すでに一部で導入されているように,ロボット化がさらに進む。筆者といては,ロボットの方が正確な部分が多いと考えており,薬剤師は患者とのインタフェースに時間をかけるべきだと考えている。

 ということで,肉体労働の外科、小児科、産科、自分の生命のリスクがある感染症科がさらに減り,一方で内科や皮膚科などはAIに仕事を奪われ,日本には医師がいなくなるのではないかと危惧している。医学部への進路である東京大学理IIIを受験する学生の半分が,単に難関校での実力だめしのためだけに受験し,医者にならないケースも増えている。医学部や医者でその専門性を悪用した犯罪も目立つ。技術はおろか,倫理観や生命の尊厳,プライバシー重視などの教育も十分行われていないか,教育してもそれを受け入れない学生が増えたのではないか。

 一般企業も含めて,今ごろ「コンプライアンス重視」などと言われ,定期的な教育が行われているが,大人になってからいくら教育しても根っこの意識が変わることはなく,結局役に立っていないと思うのである。

 日本は,新型コロナウイルスの第7波という最大の拡大を許してしまった。行動制限もされず,ベッド数は増やして病床使用率を数字のマジックで下げたとしても,医師や看護師を一気に増やすことはできない。一般医療を行っている町医者が新型コロナを担当する5類相当への変更もガンとして否定されている。同じ医療従事者として恥ずかしくないのかなぁと思ったりする。

 もちろん,一般医療を受けている患者側も,もっと意識を高く持つ必要があるのではないか。クリニックが単なるおしゃべりの場になっていないか,もう一度考える必要があるかと思う。