jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

アメリカは本当に集団免疫ができたのか検証--デルタ株期間とオミクロン株期間を分けて評価したが,集団免疫ではないと筆者は判断(あくまで素人の判断です)

命を守るか、国を守るか--日本の選択は正しいと思う【要・追加分析】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/8/28 のブログの中で,アメリカやインドは新型コロナウイルスによって100万人を超える死者という犠牲を払ったが集団免疫を獲得して平常に戻ったが,日本は死者は3万8000人で抑えられたが集団免疫が獲得できず,いまだに平常に戻れないという仮定があることを書いた。しかし新型コロナウイルスは次々に変異株が登場し,それによって死亡率も変わる。特に,デルタ株以前の期間はワクチンも十分でなく,しかも重症化率が高いが,現在のオミクロン株に比べて感染力が低いなど,事情が異なる。単純に,累計の感染者数と死者数で比較しても意味がないように感じた。

 とりあえず,アメリカの数字を検証してみることにした。

アメリカの感染者数の推移(2020.1~2022.8)

アメリカの死者数の推移(2020.1~2022.8)

 大きく見て,死者数では2つの山に分けて考える。グラフのちょうど中心は,2021年7月1日前後で谷になっている。これ以前はデルタ株が中心,これ以降はオミクロン株が中心と言える。

 1日の感染者数は,後半のオミクロン株の時期は凄まじい。最大で1日150万人近くの感染者数が記録されている。

 デルタ株期間(2020/1/21~2021/6/30)の感染者数の累計は3,360万人,死者数の累計は60万人である。

 一方,オミクロン株期間は,さらに大きく2つに分けられる。2021/7/1~2021/12/31の感染者数は2,098万人,死者は21万人である。そして2022/1/1~3/31の3ヶ月は,感染者数が2,515万人,死者は15万5000人である。

 3つの期間の死亡率は,1.79%,1.00%,0.62%と確実に下がってきている。これが集団免疫によるのか,ワクチン接種によるのか,または変異株自体の重症化リスクの違いによるのかは,一概には言えない。

 直近のデータを見ても,2022年8月の1日の感染確認者数は12万人前後,死者数も500~800人ぐらいは出ている。仮に1日500人が亡くなっているとすると,1年で15万人規模で亡くなっていることになり,交通事故よりもはるかに多い。手放しで行動制限なしで過ごせていることに,やはり疑問を感じないわけにはいかない。

 結局,アメリカで新型コロナの話題がニュースにも上らなくなったのは,医療体制が逼迫していないからだと思われる。また通勤や仕事の仕方が日本とはまるで違うことで,人的な接触が少ない傾向が見える。

 集団免疫ができたとすると,デルタ株期間の感染ピークが1日30万人,死者数ピークが1日5000人という時期と思われる。オミクロン前期は死者数のピークが1日3000人,オミクロン後期は死者数のピークが4000人だったが,感染者数が前期が30万人,後期が150万人,ということから見ると,「オミクロン株は,感染力が強くて急速に拡大したが,重症化率が低く,医療機関が逼迫せずに対応できたことで急速に収束した」と考えるのが適切であり,集団免疫で感染拡大が抑えられたわけではないと思える。また,ワクチン生産国でもあり,スムーズなワクチン供給,治療薬供給が行われたことも大きな要因と思われる。

 一方,日本はピークアウト後の減少率が低く,ダラダラと感染拡大が続く傾向がある。これは,医療機関が十分に対応できていないことが原因と思われる。医療逼迫が起きる医療体制の貧弱さと,これを引き起こした感染症二類指定の継続によって医療機関内で温度差が起きていること,さらに医療逼迫が起きていることを殊更に強調して情報発信しているマスコミにも問題があると思われる。

 第7波がようやくピークアウトしたと見られ,オミクロン株対応ワクチンの接種が9月から始まり,ようやく感染症五類相当への指定替えも議論の俎上に上がってきた。これにより,医療機関で逼迫が起きる懸念がなくなることが予想される。マスコミも一喜一憂するような神経質な報道をすることがなくなる。

 ただ日本では,自国内でワクチンや治療薬を供給する能力がなく,「いざ」という時の「有事対応」ができない。効果が期待できても副作用の危険があれば,その治療法を実験的に適用できる環境がない。結局,こうした法律の壁,医療倫理の壁,有事意識の欠如が,被害を拡大させ,収束を遅らせてしまう要因になっていると考える。

 まず,「オミクロン株」が次に変異する前に感染症二類相当から五類相当に変更し,一般医療機関での診療を可能にすることである(ただし一般医療機関も,医院内を2分割して非感染一般患者への二次感染を防ぐ対応は必須)。

 あとは,個々人の判断に委ねてもいい段階と思われる。海外との行き来も,国内の行き来も自由としていいだろう。その際,ワクチン接種証明だけは必要としてはどうだろうか。

 今後の対応として,PCR検査は症状のある人が受診時に検査を受ける。抗原検査は無症状だが自分の状態を知りたい人が自主的に検査する。

 症状があっても周囲に黙って行動する人は多い。現実も,電車内でずっと咳き込んでいる人もいる。無症状で移動して,感染拡大させる人もいる。このような人たちがPCR検査や抗原検査を自主的に受診することは絶対あり得ない。またこのような人たちが自主的にマスクをきちんと着けて行動することも,ほぼ期待できない。ロックダウンする以外に行動を阻止する方法はないが,日本ではこれもできない。行動制限できなくても,その人がスプレッダーになるとは限らないが,マスクの着用を強制することもできない。

 ならば,これも必ずしも感染罹患防止にはならないが,罹患したくない側が自主的にマスクを着用したり,テレワークしたりして自主防衛するしかない。テレワークできない職種の場合は,マスク,強制換気,会話自粛などで自主防衛するしかない。

 症状があっても検査もしない不届き者の行動を制限するために,ワクチン接種証明書だけは運用した方がいいと思う。ワクチン接種証明(ワクチンパスポート)をようやく運用する段階に来たのではないか。

 ノーマスクで自由に生活しても良しとし,検査なしでも行動制限なしとする。その代わり,ワクチン接種証明だけは必須とすることを提案したい。スマホアプリの「ワクチン接種証明」を活用すべきときが来たと提案したい。