jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

貢献度なければ発言力なし--平和主義,地球環境,新型コロナすべてで影響力なし

核の唯一の被爆国である日本は,第二次世界大戦後に平和主義を掲げ,世界平和の象徴として国連の活動の一翼を担ってきた,と筆者は思う。貧困からの奇跡の復興を自ら実現し,戦後に世界第3位の経済大国となった日本は,世界中に低燃費のクルマを供給し,日本車を所有することがステータスと呼ばれた時期もあった。高品質で壊れない日本製品は,世界で喜ばれ,日本は世界の工場と言われた。実に誇らしかった。

 この高度成長には裏があって,日本は公害大国としても名を馳せた。しかし,多くの環境技術開発によって大気汚染,海洋汚染を収拾した。クリーンエネルギーと言われた原子力発電も筆者の時代は花形だった。

 新型コロナウイルスが世界に急速に広がった2020年,島国という非常に守りやすい条件の日本は,海外との行き来を制限し,そして国内はマスク着用という独自の戦略で感染拡大に取り組んだ。欧米諸国が急速な感染拡大で困窮する中,世界で唯一,感染率が低い日本のモデルが世界に認識され,マスク着用が国連でも推奨され,まったくマスク文化のなかった世界各国がこぞってマスクを着用した。これぞ日本モデルだ,と筆者は自慢した。

 高度経済成長で豊かになった日本人が,まず手放したのが,3K(臭い,汚い,危険)な仕事である。まず農林水産業が一気に廃れ,続いて高度成長の根幹である工業分野に人が集まらなくなった。人件費をかけるより,ロボットなどで自動生産する道を突き進んだ日本は,大量生産でモノは安く作れたが,多種多様な消費者ニーズに応えることができなかった。ほぼすべてのモノづくりが,人件費の安かった台湾,韓国,そして中国から東南アジア,そしてインドへと流出し,日本にモノづくりがほとんど残らなくなった。

 新型コロナウイルスが蔓延したとき,ワクチンや特効薬をどう開発するかがカギとなった。日本でも複数の企業が開発を進めたが,生産能力,治験者の確保,そして根本的な技術の差が歴然で,結局日本製ワクチンはすべて頓挫した。さらにインフルエンザでは世界に誇る特効薬が開発できた日本だが,COVID-19対応の特効薬はいまだに開発できていない。

 公害先進国だったが,環境先進国にもなれた日本だが,平和ボケしたおかげで世界中の環境問題に対する活動に対して極めて鈍感である。環境技術を輸出するだの、資金供出するだのと宣言しても、手元で原発事故を起こしてその処理ができず、現在主流の太陽電池パネルも風力発電も蓄電池も生産できず、石炭火力すら新設しようとしている国の言うことを誰が信じるだろうか。

   平和活動を続ける方には酷だが、すでに世界は日本の平和に対する考えを受け入れていない。たった50年で経済成長がピークアウトした国を誰が信頼するだろうか。しかも、防衛から先取攻撃まで検討しはじめている日本を誰も平和主義国家だと捉えていないのだから。

   今できるのは、人的、金的資源を何か世界貢献できる技術や産業に集中して、他国に先駆けて開発し、輸出できるようにする選択と集中である。筆者が主張するように、水素発電、陸上養殖、植物工場、微細藻類養殖で、エネルギー問題と食糧問題に解決の道を世界に示し、日本の存在を再度世界に取り戻す政策と投資が必要である。

   オリンピックや万博の誘致など論外で、観光立国主義も返上すべきである。半導体新会社も無駄な投資である。それよりも、集中選択した事業に国が投資し、きちんと高い給料を支払って日本人労働者が集まる仕組みを作ることである。海外の安い人材を敢えて排除すべきである。

   政治家は、文系出身者ばかりで、GDPを外貨で稼ぐ政策にピンと来ないのではないか。ものづくり企業の経験者に登場を期待したいところだが、すでにマネーゲームに飲み込まれた2代目経営者では発想ができないかなとあきらめの気持ちである。