イスラエルのベンチャー企業が、水の電気分解で水素を製造する際の新しい電極技術を開発した。近いうちに現在の1/10のコストで製造できるという。“安い水素”が世界を変える!低コスト製造技術がイスラエルで登場 (nhk.or.jp) 2022/11/17。
電気分解の際に両極で生じる水素ガスと酸素ガスが混じると爆発の危険があるため、これまでは分離膜を介する必要があった。新しい電極は、酸素ガスの発生を抑制するため、分離膜が要らず、分解効率が上がるという。
うーむ、日本が得意とする材料技術、界面技術のお株を取られた感じだ。
それにしても,イスラエルには優秀な技術者が多い。不思議な国である。頭脳レベルはアメリカのMITクラス,ベンチャー起業のレベルはシリコンバレークラスというから,その爆発力はすさまじい。筆者もかつて,ディスプレイ関連のベンチャー企業の説明会で話を聞いたことがある。実にユニークな製品だった。結局,実現はしなかったが,生き生きとしていたと見えた。軍事技術も優れている。
日本では,トヨタ自動車やソニー,NTTが中心となって,次世代半導体開発産業を再建しようとしている。20年遅れでスタートして,5年で追いつくことは,まず無理だろう。電気分解技術はこのイスラエルに集中し,水素燃焼発電技術,水素貯留技術,水素搬送技術など,パイの大きな分野で貢献できるはずである。人的,経済的資源を集中して国家プロジェクトとして進めてほしいと思うのである。