jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

2023年元日に思う--ちょっと抜けたAlexaぐらいがちょうどいい感じ

2023年1月1日を迎えた。昨日は部屋の片付けをしていた。例年仕込んできた黒豆を,今年は娘が作ってくれるというので,早めに飲み始めたら,20時ごろには眠くなってしまい,そのまま今朝まで寝てしまった。年越しソバは朝に食べようと思う。

 7時のニュースを見ると,いきなり北朝鮮弾道ミサイルの発射の知らせがあった。また,大晦日山形県鶴岡市で起きた裏山崩れのニュースも流れていた。ロシアは年末も引き続き,ウクライナに向けてミサイル攻撃を続けているという。

 天気は穏やかである。現在の気温は-1℃。Alexaを部屋に置いてから,マイナス気温を見たのは,今日が初めてかもしれない。人から銀杏をもらっていたので,Alexaに銀杏の焼き方を聞いてみたのだが,「ちょっとわかりません。ごめんなさい」と答えがあった。なかなか正直でよろしい。

 AI(人工知能)技術が,おそらく設計者の想像を越えて自己進化しているように思う。筆者は,メディアは正しい情報を伝えることが使命だと思って取り組んでおり,今もその姿勢を変えていない。しかし,AI技術によって画像が加工されるだけでなく,フェイク動画が作られ,文章を自動で作成して,インターネット上に流れる事態に陥った。さらに,有名人の声を真似て勝手な文章を読ませる実験や,絵画,音楽,写真といった芸術面でも,AI技術による作品が登場した。絵画に至っては,AIによる作品の価値が認められるという。

 IT技術は,人を助けるために使われるべきで,人を越えてはならないと筆者は考えている。ワープロやパソコンにより,原稿用紙に手書き,というスタイルがキーボードのタイピングに変わってしまったが,あくまでもそれは人の思考を文字化する手助けをする技術である。たしかに漢字を忘れていくという副作用は起きているが,同音異義語を正しく選択するのは人間の知識にかかっており,いわば人とコンピュータの共同作業に過ぎない。しかし,テーマを与えたら勝手に文章を作ってしまうAI作家は,これはもう人とは言えない。

 人の想像力に関わる分野にIT技術を使うべきではないと,筆者は考える。これは人権の放棄である。バイオテクノロジー分野でも,ゲノム技術を使って生命の複製(クローン)を作ったり,新しい生物を生み出すことが可能になっているが,これは「倫理」として禁止しようと,世界中で科学者が集まって決議された。IT技術,AI技術においても,勝手な創造物を作ることは禁止すべきだと主張したい。

 バイオテクノロジーは,高度な専門性と設備を必要としているため,技術を使えるのが一部の機関に限定されており,しかも多くの専門家,研究者は良識を持っているため,禁止の申し合わせが実現した。一方,AI技術は個人のパソコンレベルでも利用が可能になっており,しかもできあがった情報をインターネットを通じて簡単に発信できてしまう。これでは,いくら「倫理」規定を設けても歯止めが効かない。

 「シンギュラリティー」という言葉がある。学問的には「特異点」だが,一般にはコンピュータの能力が人間の能力を越えてしまう段階を指している。AIによるフェイクニュース,フェイク画像,フェイク動画が発信された2022年は,予想より10年も早くシンギュラリティーを迎えたと言えるだろう。

 2020年から丸3年が経っても収まりを見せない新型コロナウイルスも,これから考えるとどこかの研究室で倫理協定を無視して密かに作られた生物兵器ではないかと疑わしくなってくるし,今は人の判断で発射されているミサイルが,AIによる判断で発射される日が来ないという保証はまったくなくなった。実際,2022年大晦日のテレビ番組で登場したロボット犬でも,プログラムどおりに動いているのかもしれないが,個々に意志を持って動いているようにも見えて,ぞっとしたのは筆者だけだろうか。これをヘラヘラと笑いながら受け入れている多くの日本人の無神経さを指摘したい。

 2023年がどういう年になるのか,気が気ではない。暴走する2人(あるいは3人)の国家指導者をまずなんとか止めなければならないが,これを超える技術が裏社会であるメタバースで勝手に展開し,リアル社会の地球温暖化や食糧不足,エネルギー不足の解決に向けた動きにブレーキをかけてしまうのではないかと懸念している。

 何もしなければただ時刻と天気,気温を表示してくれているAlexa Echo 5ぐらいが,ちょうどいい感じの協力者であるような気がする。無人運転車の開発も進んでいるが,その前に経済を立て直して豊かな文化を取り戻し,人に生きる喜びと余裕を与えられるような政治が必要だろう。カネ,権力,そして多数決に執着する「政治家だけによる民主政治」はダメであり,ここにこそAIをサポーターとして投入すべきではないのだろうか。

 ミサイル攻撃を続けるロシアの戦略が,次の段階では自国の一般国民の被害につながり,さらに世界戦争に発展すれば核兵器の使用という選択を迫られる段階で,AIはそれを選択するだろうか。

 現時点でAIをアシスタントとして使えば,核兵器の使用は避けられるだろう。しかし,もう10年経った時点では,AIは「この現在人類を生かし続ければ地球は滅亡する」と判断して,世界中のコンピュータやロボットを操作して核兵器を打ち尽くし,人類を滅亡に追い込むという選択をしかねない。

 バイオテクノロジーに逃げたビル・ゲーツや,火星に逃げようとしているイーロン・マスク,そしてメタバースに逃げ込んだマーク・ザッカーバーグに告げたい。もう一度,「地球」に戻って,「人類」のことを考えて行動してほしいと。良心に訴えて活路を見いだそうとする国連のSDGs運動は,小手先だけでもはや意味がないのである。