2023年1月6日~8日、JR渋谷駅山手線ホームが内周り、外周りとも同じにするための工事が行われた。2日にわたって外周り線の運行を止めての大工事だった。
渋谷駅周辺の再開発のために必要な手順の1つだったようだが、現状はとても不便になっている。
まず、ホームの幅が狭い。ここに、外回り、内回りの電車に乗る人が並んで待つ。移動できるホームの中央には階段と柱があり、移動しにくい。ホームドアもないので(これは一時的だと思うが)線路側を歩くのは危険である。
そこに外回り、内回りの電車が同時に入線したらどうなるか。日本一乗降客の多い駅である。とてもこのホーム幅では足りない。
階段も同様に狭い。上り下りで4人幅しかない。これまでのホームだと、外回り側は階段がホームのさらに外側に付いていたので、階段は上り下りで6人ほどの幅があった。ホームは移動の際に人とぶつかることもなかった。
現在のホームは,まだ仮ホームだと信じたい。というのも,ホームが金属製のパネルで幅を伸ばしていて,不安定な状態にある。元の外回りホームを取り壊したあと,さらに外側に線路を移動させ,現在の上り下り共用ホームの幅を広げてくれるものと期待しているのである。何となく,外回り線路もまだずらせるような気がするからである。
この拡張工事の後,渋谷では2回,人身事故が起きている。山手線はとにかく乗降客が多いが,東京駅・新宿駅・渋谷駅・浜松町駅・新橋駅を除いて,ホームドアが設置されている。拡張工事後の仮ホームのため,渋谷駅にはまだホームドアは付いていない。仮ホームだからホームドアも付けない,ということかと思われるが,できるだけ早く,さらにホームを拡幅し,安定したホームにすることを先に実施してもらいたい。
筆者としては,中途半端に2日だけで工事を終えるのではなく,半月ぐらい外回りを止めて,ホームをきちんと作ってほしい。池袋から品川までは埼京線があるので,若干行ったり来たりして移動はできる。品川から田端までは京浜東北線が使える。田端から池袋の間は,丸ノ内線経由で移動できる。
筆者の通勤路線でもまだホームドアのない駅がかなりある。残念ながら,人身事故はこうしたホームドアのない駅で起きている。
2023年3月に,全国で一斉に鉄道運賃が概ね10円ずつ上がる。ホームドアの原資にするためだという。本当にホームドア設置に使われるのかどうか怪しい面もあるが,東京オリンピックも終わってしまい,インバウンド需要の拡大もそれほど見込めないため,利用者に負担を求めたものだろう。
とにかく,ホームドアはどんどん設置を進めてもらいたいのである。安心感がまったく違うからである。