2023年2月に入って,新型コロナウイルスの全国感染確認者数が1日に1万人を切る日が出てきた。死亡者数は1日100人前後となった。相対的に,1日の感染者数は最大ピークの1/20になったが,死者数は1/5程度止まりであり,入院病棟での医療関係者の闘いは続いている。ゼロになる日まであと1ヶ月はかかると思われる。頑張っていただきたい。
免疫回避能力を獲得したというXBB.1.5というオミクロン変異亜種がアメリカを中心に主流となり,日本でも1/3ほどは置き換わったと思われるし,第8波後半の感染者はこのタイプへの感染が中心と思われるのだが,ありがたいことに感染は急速に減った。
一方,2023年1月は予想どおりインフルエンザが例年以上に感染拡大している。コロナとのダブル感染も見つかったものの,主流になることなく収束しつつある。コロナなのかインフルなのか,それともただの風邪なのか,ということすら分からないままに,そろそろ春がやってくる予想である。インフルエンザは暖かくなると急速に収束することから,3月に入ってからのコロナ,インフルの双方とも,感染が落ち着くものと予想する。
3/13からは,マスク着用義務を原則なくすとしており,また5/18以降は感染症二類指定から五類指定に変更が予定されている。すでに海外からの観光客の受け入れもほぼ解禁されていることから,3年を超えた新型コロナウイルスの流行は,ようやく収まったと見ていいのかもしれない。
一方で,ワクチン接種が原因の死亡事例が問題視され始めた。ワクチン接種後の血栓症を中心とした死亡事例が2000件を超えているという。ワクチン接種によって重症化が防げるメリットはあるが,副作用として死亡に至る症状を発する例が目立ってきているという。2023年は,高齢者と基礎疾患者を中心に年2回,それ以外の人は年1回のワクチン接種が国費で行われることが決まったが,希望者に限ることになれば,おそらくほとんどの人はもうワクチン接種をしなくなると思われる。
そこでまたマスクなし,換気なしの状況で感染力の高い亜種が登場しないとも限らない。ワクチン接種による死亡例がクローズアップされている現段階で,ワクチン接種の奨励も難しければ,XBB.1.5やその次の変異種に対応するワクチンの開発・生産も難しくなる。技術的には,すでに開発が終わっており,いつでも量産態勢に入れる段階になっていると信じたいが,民間薬企業の営利追究主義では,すでに開発を止めているかもしれないのである。
マスクをしていても感染してしまう事実は,最初から言っている。近接距離における唾液飛沫やマイクロ飛沫ならマスクで相当をカバーできるが,ウイルス粒子そのものはスルーしてしまうからである。実際,マスクをしていても様々なニオイがするのは,丸くを通してニオイが入り込んでしまうからである。タバコの煙も同様でマスクを通じて入ってくる。マイクロ飛沫も同様である。ただ,ウイルス量の多い唾液飛沫のみを防ぐのが目的でも,十分に着用の効果はある。筆者は,家を出たらオフィスに着くまでは,マスクは着用することにしている。不特定多数のいる状態は,信頼できないからである。一方,会社のように出席者が常に同じであれば,室内でのマスク外しは問題ないし,以前から主張しているように,強制換気能力を高めれば,感染拡大,感染罹患のリスクは少なくなる。
ゾコーバという治療薬が,後遺症の減少にも役立っているという報道があったが,結局ほとんど使われていない様子である。適宜適切に使用すべきだと思う。
さらに,予防薬は日本のお家芸なのだが,一向に開発されない。筆者がマスクを手放せず,換気に注意を向けている理由がここにある。インフルエンザのように,診断して結果が出たらすぐに薬局で手配されるような状況にはなっていない。
筆者の場合,5回めのワクチン接種が2023年11月で,丸3ヶ月が経過した。そろそろ免疫が切れかかるころなので,できれば接種したいところだが,罹患してもゾコーバが使われないことが多いと聞くと,やはりマスクと空調は欠かせないと考えている。