jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

パワポ・プレゼンはもう古い? 今や動画編集が必須なのか

学校のIT化の記事を読んだ。導入コストの面でChromeBookが半数だという。以前から、将来はビジネスではWindows PCを使うだろうから、どうだろうか、と思っていた。特にMicrosoft Officeに早めになじんでおいた方がいいのでは、と思ってきた。

   しかしその記事ではプレゼン力が必要なポイントであるとしており、PowerPointによる紙芝居プレゼンはもう古く、動画編集力が問われる、というタッチでまとめられていた。

 筆者の子供のころは,プレゼンなどは無かったように思う。そもそも,個人やグループで調べ物をしてそれを発表する,ということも無かった。模造紙にまとめて発表する,といったことも無かったように思う。まあ,子供が写真を撮ることも,まして動画を撮ることもなかったから,そういう発表もなかったのだと思う。

 大学の卒論の発表も,発表資料をコピーして配布して読み上げるだけだった。パソコンも無いし,OHP(オーバーヘッド・プロジェクター)も無かった。資料をいかにまとめるかがポイントだった。大学の講義も,黒板への板書のみだった。

 社会人になって,学会発表ではOHPを使うのを知った。プレゼン中に,画面に文字を書き込んだり,色を変えたりなどの工夫があり,分かりやすいと思った。そしてWindowsパソコンの登場で,MicrosoftのOfficeがビジネスで使われ,これに伴ってPowerPointによる電子紙芝居的なプレゼンが主流になった。

 PowerPointでは,直感で分かりやすいように図形と少なめの文字の箇条書きを表示し,説明は口頭で行う。途中で1,2点の動画を見せると,なかなか立体感のあるプレゼンになった。

 筆者としては,ただの紙芝居ツールだったが,文字の表示やページ切り替えなどにいくらでも工夫を加えて複雑にできた。かえって焦点がボケてしまうような印象があった。

 PowerPointの中に,あらかじめ音声も録音しておけば,自動再生することもできる。また,テキストを機械音声変換すれば,自分で話をしなくても発表することができる。どんどん,人間味がなくなってくる。

 ここに,動画プレゼンが盛んに取り入れられているということを聞くと,少し本質から外れてしまうような気がする。たしかにプレゼンの良し悪しによって相手に対する印象は大きく変わる。中身はともかく,前向きなプレゼンには心を動かされる。これは本質的なものなのだろうか。

 たとえば,動画プレゼンでは恐らく音楽効果も入るだろう。その選曲1つによって,プレゼンの雰囲気もガラリと変わる。最初にインパクトを与えて,相手を引き込むことによって,説得力のあるプレゼンに仕立てることも可能である。

 これは,ドラマとか広告とか,また映画の効果と同じかもしれない。そこまで子供のころからさせる必要があるのだろうか,と考えてしまう。動画編集,動画プレゼンの一番身近な例が,Youtubeであり,Instagramなどの動画投稿サイトである。正直,びっくりするようなプレゼンの手法が使われている。しかし何となく見てくれだけの効果を追い過ぎているような気がする。

 筆者は,PowerPointを使ったページめくり動画の作り方を2年前に紹介した ページめくり動画--PowerPointがいちばん簡単 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/4。それから2年間はまったく進化させていなかったのだが,今回これに,機械音声によるナレーションと,アニメーションgifでキャラクターをオーバーラップさせることで,解説を加える工夫をしてみた。これを動画ファイルに書き出すことで,動画プレゼンとした。筆者的にはかなり進化したと思っている。何しろ,映像をつないだり,そこに音声を重ねたりする動画編集は,かつて経験したこともあるが,あまり楽しい仕事ではなかったからである。

 子供たちはどんなプレゼンをするのだろうか。それは今後の人生でどう役立つのだろうか。むしろ,欧米で主に訓練される弁論や,ディベートを取り入れていく方が必要なのではないか。

 子供のプログラミング教育に対しても疑問を持っているし,子供の英語教育に対しても疑問を持っている。リアルな経験,体験をさせることからどんどん遠ざかり,バーチャルな世界のテクニックばかり育てることは,国際人を育てることとは違うような気がするのは,もう筆者の頭が古いからだろうか。