jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

2023年流行語にモノ申す--「A・R・E」が時代を象徴するとは,日本語も終わりと感じた件

2023年の流行語大賞が発表された。列挙のためにコピーさせていただくと,

<年間大賞>

アレ(A.R.E.)

<ベストテン>

新しい学校のリーダーズ/首振りダンス
OSO18/アーバンベア
蛙化現象
生成AI
地球沸騰化
ペッパーミル・パフォーマンス
観る将 
闇バイト
4年ぶり/声出し応援

<選考委員特別賞>
I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)/とにかく明るい安村

だという。

 これではもう,「流行語」ではなく,“流行パフォーマンス”である,というのが苦言の理由である。「言葉」をもっと大切に考えてほしいのである。

 特に,大賞となった“アレ”は,正直言えばただの失語による代名詞であり,あとづけで意味を加えている。政治家の言い訳みたいに感じる。隠語としての“アレ”にはさまざまな意味を持たせることができる。こんな言葉を選ぶなど,審査側の感性を疑ってしまう。

 首振りダンスもペッパーミルも,単なるパフォーマンスを言葉化しただけで,流行語とは言えないはずである。その極めつけが,特別賞のハダカパフォーマンスである。そもそも,「ハダカ芸でなければ日本人は笑いが取れない」ことに対してすでに苦言を呈してきた(ボディビルのムキムキははた迷惑--自己満足を公共電波でCM に使わないでほしい - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/9/11)。実に不快である。

 それにしても,ワクワクするような言葉がなくなったなと感じる。三省堂の「国語辞典」には,新語として定着した言葉が加えられる(SNSは恐ろしい--感情的な批判表現は「表現の自由」ではなく「勝手表現」。規制する技術が必要と感じる - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/2/18)。定着したかどうかをベテランの編集者が判断して,掲載するのだという。それでもとんでもない言葉が載ってくるのを感じる。筆者は,同じく三省堂が2023年に発刊した「三省堂国語辞典から 消えたことば辞典」を購入した。別にノスタルジーに浸りたいからではなく,消えていった言葉の意味を考えたいと思ったからである。ここには時代を反映した歴史を読み取ることができた。

 2023年流行語の中で,後世まで残る言葉は「生成AI」だけだと思う。この「生成AI」についても,筆者は「盗用AIだ」と苦言を呈している(生成AIではなく「盗用AI」というべき--Creativeな世界は崩壊した - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/7/20)。とうとう国のリーダーに暴言を言わせる動画生成サイトまで登場した。言葉といい,動画といい,もはや人間が生み出せる力に限界が来たのではないかと,ぞっとする思いである。