最近，トートバッグを通勤に使う男性が増えてきた傾向があるように見える。革製のオシャレなトートバッグである。
男性用の通勤カバンと言えば，かつては手提げのビジネスバッグか，肩掛けカバンだった。近年はデイパックを背中に背負う人が増えた。スーツにはあまり似合わないとは思うのだが，スマホを常用するために両手が開くデイパックは便利である。ただし，背中に背負ったまま満員電車に乗って周囲に迷惑がかかるというので，「前背負い」という変な習慣まで定着してしまった。この件については，ブログで何度も改善案を提案している。
デイパックがあまりにもカジュアルなため，たしかに得意先に持っていくのはビジネスマンとしては躊躇する場面もあったのだろう。革製のトートバッグは，格好いいと思うし，スーツにも合っている。トートバッグの特徴である長い持ち手を肩に掛ければ，両手が使えるので，スマホ時代にも合っているカバンと言えるかもしれない。
ところが，問題があるとすると，肩に掛けたトートバッグの後ろ側の底の角である。ここが，満員電車の中で後ろの人に当たっていることに気づかない人が多い。デイパックの底の角と同じである。しかも，身体を動かすと肩を中心にトートバッグが振り回される形になり，これがちょうど相手の身体や背の低い人の顔の位置で振り回されることになる。これも実に迷惑である。
かつて，トートバッグを持つ女性に対して苦言を言った筆者だが，男性の場合は文句を言ったら反撃されることも多く，泣き寝入りしてしまう。
カバンの角，デイパックの肩ひもの先端，帽子のツバ，長い髪の毛などが，周囲に迷惑をかけていることが認識されない。マナー動画がいまだに，出入り口を譲らない，おしゃべりがうるさい，荷物で席を占領する，ヘッドホンからの音漏れ，といった点しか指摘していないのが時代遅れだと感じる。もっとアップデートしてほしいものである。
