jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

13インチ大型タブレット全盛時代登場--かつてのパソコン持ち手論争に戻る

13インチの大型タブレットが話題となっている。先行したAppleiPad Proに続き,これ9万円も安いiPad Airも13インチ版が発売された。

 筆者には子供が3人いるが,全員がノートPCとiPadを併用している。とりあえず,1世代前の11インチ版を数年にわたって使っており,「これがないと仕事にならない」という感想を聞いている。

 筆者は,ノートPC派であり,タブレットは8インチ版がたまたまオマケで入手したものをどう活用するか苦慮している。現在は,クルマのナビ用への転用がメインである(タブレットが嫌いな理由--画面操作をすると画面が揺れることと思われる - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/11/1)。

 時代が逆行しているわけではないのだが,子供たちに聞くと,どうやらタブレットの使い方としては「手描き」がメインのようである。ササッとメモ的に情報を書き込むために使っていることが多いらしい。文章を入力したりするには,キーボードを取り付けて,というかBluetoothで接続して,タイプ入力をする。ただ,持ち歩いて,ササッとメモ風に記録するためには,逆にノートPCでは手数が多くて面倒なようである。

 たしかに,オフィスでもデザインをメイン業務としている人は,タブレットタブレットペンを使ってイラストを画面に直接入力しているのを見かける。

 筆者のように,文字入力が99%を占める仕事をしている人間はPCメイン,キーボードメインだし,経理部のように数字入力が99%という仕事では,さらにテンキーボードも重要になってくる。イラスト制作をPCで行うデザイナーは,左手に特別なショートカット用キーボードを使って,繰り返し操作や設定の切り替えを素早くおこなっている。タブレットは,ノートPCの蓋を開いて,電源を入れて,机に置いて,PCの前に座って,という一連の動作が不要で,立ったまま電源さえ入れればすぐに使える,という点がメリットなのだと理解した。

 実は筆者も,30年以上前のパソコン使用初期の段階で“タブレット”を導入したことがある。もっともこの“タブレット”は,パソコン画面上のカーソルを移動させるマウスと同様の機能が中心で,大きさも横幅が15cmぐらいだった。マウスだと,画面の端から端までカーソルを移動させるのに何回も左右にマウスを動かす必要があるが,“タブレット”だと操作面と画面が1:1に対応しているため,タッチペンを端から端にただ移動させるだけでカーソルを簡単に移動できた。手首の負担が減ったと感じた。

 この“タブレット”でお絵かきをすることもできた。しかし絵心のない筆者は使いこなすことはできなかった。「絵心のない人でも簡単に使える」というソフトも買ってみたが,筆者には役に立たなかった。

 iPadが登場して,タブレットを指でなぞって本物の油絵のような絵を描いたり,風景をスケッチしたりする人の様子を見たりして驚いたものである。何度でも修正が利く,上書きもできる,色数が無限にある,など,絵心のある人にとっては実に素晴らしい道具の登場のようである。筆者には無縁の存在である。

 さて,機能面では筆者には無用の長物なので,あとは持ち勝手についてコメントする。新しい13インチiPad airは,重さが617gある。同じ13インチのiPad Proは,579gである。筆者の手持ちの8インチQua tabは,ケース付きで379gである。

 2010年登場の初代iPadは9.7インチで重さが680gあった。iPadの最初の印象は,「結構ずっしりと重いな」と感じたことを覚えている。2012年登場のiPad miniが7.9インチで308gである。Qua tabとほぼ同じ重さである。

 手持ちで使うことを考えると,たとえば電子本を読む場合,手首を常に一定の角度で固定しておく必要があるので,端末はできるだけ軽いことが望ましいと思う。そういう意味では,読書端末としてのAmazon Kindleなどの電子ペーパーモデルは158g~200gクラスとスマホ並みに軽く,目的に合っている。

 一方,指で操作する場合,タブレットを左手に持って,右手でタッチする必要がある。そうなると,この500g超えという重さは結構重たく感じると思うのである。机に一辺を置いて手で斜めに支えるという使い方でも,結構疲れると思える。かと言って,机に平らに置いてしまうと,画面を斜めから見ることになり,使いづらいのではないかと思うし,画面をなるべく真上から見るようにすると,今度は首が疲れてしまうような気がする。タブレットペンを使う場合は,平置きしかないかもしれない。

 片手で持ったまま操作する場合,安定性という意味では13インチはかなり大きいようにも思う。重さもあるので,指や手のひらに固定できるようなホルダーがあった方が使いやすいかもしれない。

 同じような話は,かつてノートPCでも話題にした。それ以前の持ち運び可能な日本語ワープロの時代に,手提げ金具が仕込まれたワープロを持っていたからである(OASYS Lite-9)。ノートPCになってから,こうした手提げ具の付いたモデルがなくなり,移動時に非常に不便を感じるようになっていた。いまだに,付属モデルもなく,手提げが付けられるアクセサリーが販売されたが,その後話を一切聞かなくなってしまった。ノートPCも軽くなり,ハードディスクから半導体モリーSSDに変わり,かつ丈夫になったので,手提げ具の必要が減ってきたからかもしれない。実際,ノートPCは,少なくとも膝の上に置いて使うので,重さは関係なく安定して使えるからである。

 どうも,タブレット用ケースでパタパタと折り曲げるタイプは好きになれない。かといって,画面むき出しも不安である。キーボードも持ち歩くとなると,結局はノートPCと同じような形になってしまう。新しい13インチiPad Airも,キーボードとの組み合わせは何だかものすごく大げさな感じがする。

 ただ単純に,筆者はタブレットが苦手というだけの話なのかもしれない。ちなみに,布団に寝た状態でパソコンやスマホタブレットを置いたままで操作する目的で,ミニマウスパッド付きの超小型Bluetoothキーボードを新たに導入している。スマホタブレットは,指で直接タッチする方がやはり操作性はいい。しかし,文字入力となるとキーボードの方がまだ使いやすい。超小型Bluetoothキーボードのキーのサイズは,テレビのリモコンのキーぐらい小さく,タッチタイピングは難しいが,手首をスマホタブレットの画面上で浮かせた状態で長時間のタイピングをするよりも,楽な姿勢で入力できる点は評価している。基本的に文字派,キーボード派という線からは抜け出ていない筆者の個人的な感覚であることをご理解いただきたい。