jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

親からの教えがなければ動物は生きて行けないが、ヒトは逆に他人を殺す道を選んだのかもしれない

動物は、生きるためには食べて行かなければならない。どうやって獲物を捕るかは、親に教えてもらったり、親のやり方を見て真似して、獲得する。動物にとっての教育は、生きるための切実なプロセスである。子供のころに親を失った場合、それはほぼイコール「死」を意味する。

    ヒトの場合、親が子供を保護する。食べ物もかつては作り方を親が教えてくれた。親のやり方を見て真似して作り、何度も失敗しては身に付けていく。生きるための方法を親から教え、学習していく。

    少し前までは、家を守るのは母親の役割だった。子供は、仕事のことは父親の背中を見るが、家の中のことは母親の行動を見て、生き方を学ぶ。子供を育てること、家族を支えることがどういうことかを学ぶのである。

     高度経済成長時には、外食が流行った。一般家庭でも気軽に使えるファミリーレストランが全盛になった。それでも標準的な家庭なら家で食事を作ることがメインだった。家族が同じ時間に食卓に座ることはなくなり,作り置いた食事を電子レンジで温めて食べるにしろ,家庭の味というのは継承されていた。たまたま家族全員の時間が合ったときに外食するといった形も多かった。

 子供が家から独立して一人暮らしを始めても,基本的に外で遊ぶことが目的で,一人暮らしのアパートはただ寝に帰るだけで,包丁もまな板もなく,ガスレンジではお湯を沸かすだけ。冷蔵庫にはビールや牛乳しかないといった生活様式に変わっていった。食事は外食が中心で,アパートではせいぜいカップラーメンという生活だった。

   バブルが弾けて2000年を越えたころから、家庭の崩壊が顕著になってきた。父親に定職がなく、母親も共働きで家にいなくなる。生きるための知恵である食事が、手作りからお総代の電子レンジでチンになり、さらにコンビニでもお惣菜がパックで買えるようになった。高齢者向けを中心に開発された宅配弁当を,普通の家庭でも注文し,冷凍庫から取り出してチンして食べる。買い物も,食事の準備も,片付けも要らない。時短といえばそれまでだが,なんの知恵も与えられない。

 それでも,いよいよ独立して家庭を持とうという段階になって,主に女性は料理を母親から学ぶ姿勢を見せる。しかし,作るメニューが同じでも,レシピはインターネットサイトを見て作る。それなりにちゃんと料理になるが,応用が利かない。材料がないときに代わりの材料でできるのか,そのときの分量はどうするのか,まったく手が出なくなる。

 男性に至っては,もはや何も知らない子供と同じである。ゴミの出し方もわからない,掃除の仕方もわからない,釘の1本も打てない,電球の交換どころか,トイレットペーパーの入れ替えすらできない,そんな「子供大人」ばかりが世の中にあふれている。

 生きていくためにはカネを稼がなければならないが,定職につく能力も意欲もなく,アルバイトで食いつないでいては,いつか貯金も底をつく。そこで手を出すのが闇バイトということになるのだろうか。後戻りできず,しかも自分が生きていくためには,他人からカネを盗み,他人に暴力をふるい,最悪は他人を殺してでも生き延びようとする。食べ物を得るための食物連鎖ではなく,カネを得るための仲間殺しである。

 もしそこにまだ理性が残っているのなら,足を洗って出直すこともできなくはない。しかし,もはや理性すらなく,精神的に病んだ状態になった人が,無差別殺人に走るのではないかと思われる。

 相手を傷つけることに快感を覚えるような精神的に壊れた段階から,相手に対する衝動を抑えられなくなって「キレて」犯罪に走る段階まで,さまざまである。逮捕されても,なぜか弁護側は人権を持ち出し,精神鑑定を求める。正直,何をもって正常と判断するのか,さらに犯行時の精神状態が逮捕後に鑑定できるのかと考えると,精神鑑定などわかるはずがないのである。弁護側のお決まりのパターンである。そしてまた社会復帰ではなく,社会に放置して,あとは知らんぷりを決め込む。

 福岡のマクドナルドでの高校生殺人・傷害事件も,長野駅前の殺人・傷害事件も,キレて起こした事件とは思えない。愉快犯とも思えない。精神的に壊れているとしか思えない。

 もはや,どこで何が起きても不思議ではなくなっているのが令和の日本である。個人的には,自ら周囲に神経を尖らせて歩くしかない。

 ドラマでは,人の行動から感情を数値化して,異常行動を取っている人を見極めるシステムが登場している。スーパーやコンビニでの万引きが防げるような場面が出ている。これは単にまだ空想上のシステムなのだろうか。ある程度完成しているのなら,あらゆる監視システムに導入して,少なくとも犯罪を起こす可能性のある人物に対して,事前に保全措置を取るようにしないと,犯罪が起きてからでは遅すぎる。

 同様に,クルマの異常運転についても,検知できるシステムが欲しい。過度な加減速やハンドル操作,逆走など,運転者自身の意図的な行動とともに,本人が判断能力を失っているケースまで検出できれば,事前に事故を防ぐことができる。

 AIは,本当にこういうところに応用してもらいたいのである。