今、電車のドア横のシートに座っている。
ここは実はいちばん座りたくない席である。
席の左右のどちらかは仕切りなので、遠慮なくもたれることができ、眠たいときは選びたい場所なのだが、困ったことに車両が混んでくると嫌なことが起こりやすくなる。
この仕切りには、立った人ももたれるが、もたれるだけでなく、仕切りに半分お尻を乗せてくる人がいる。向こうのお尻がこちらの肩に当たる。
もっとヒドいのは、背負ったリュックを仕切りの上からシート側にはみ出してもたれてくる。リュックがこちらの顔に当たる。リュックを背中に背負った場合は、当然のことながらその先に他人の顔があることなど気にしない。
冬場は、ダウンジャケットなどかさばる服装が仕切りを越えてくる。マフラーの先が垂れてくる。これらもまったく気づかない。
最近はスマホが仕切り線を越えてシート側まで突き出される。これは、当たっていないからいいだろうとでもいうように顔の近くで操作される。しかし、電車が急ブレーキを、かけたらどうなるのかまで考えてはいない。まして、自分がゲームなどに入り込んでいるので、周りがまったく見えていない。自分のバランスさえ取れない。
これは未必の故意というべきではないか。場合によっては確信犯でもある。
混んだ電車は嫌いである。