今日も,電車を降りたところから「スマホ歩き」にぶつかった。
スマホ歩きをすると,まちがいなく普通に歩くよりも遅くなる。出口に向かう流れが乱れる原因の一つである。
多くのスマホ歩きは,電車の中から続いている。多いのはゲームとマンガ。次いでLINEなどのSNSだろう。もっとも,電車の中でのスマホ利用の60%はゲームかマンガ,30%はSNS,あとはメール,ニュース,Web検索といった比率である。ゲーム,SNSが途中で終わらないので,電車を降りてもそのままスマホ歩きにつながっている。
「スマホ歩きはやめましょう」というアナウンスが空しく流れる。スマホの画面に気持ちが移っているため,周囲の状況が見えず,周りの音も聞こえない。ぶつかっても悪びれた様子もない。
以前,スマホ歩きに対しては,警告の意味でスマホを弾き飛ばしても許される,という警告法を考えたことがあったが,これは器物損壊,あるいは傷害になると思って,悶々としていた。
結局,個別に注意はできない。注意したら揉め事になる。場合によっては殴られる。場所が場所だけに,線路に落ちて大変なことになるかもしれない。
そこで,あきらめの気持ちを言葉で表現した。「スマホ・ディメンター」。
ディメンターはハリー・ポッターの話にも出てくる生気を吸い取る怪物(吸魂鬼)である。現在のスマホは,それを使う人からさまざまなものを吸い取ってしまっているように感じる。10~20代の若者の一日のスマホ使用時間の平均が10時間,などと聞かされると,完全に操られているのを感じる。
SNSは家族間の連絡にいまや欠かせなくなっているが,使うのは一瞬。ゲームはしない,検索は思いついたときだけ。とにかく,ゲームとマンガを消さないかぎり,スマホ・ディメンターからは逃れられない。この便利さをどう断ち切れるか。人類の自覚が求められる。