jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

メガネ型ディスプレイへの期待

https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210715_00.pdf

“目の前の人の情報表示”メガネ形端末発売 (msn.com) 2021/7/6。NTTドコモが,ARメガネを業務向けとして販売するというニュースである。この手のガジェットはものすごく興味があって,すぐに調べてみるのだが,たいていは「残念」で終わっていた。今回のこのニュースも,結局はハードはgoogle glassで,これにオンライン接客や機器の遠隔監視などの機能を加えて提供するようである。業務用なので高い(おそらく20万円クラス),画像が粗い(800×600),恰好悪いなどの理由で,限定的な使い方だと考える。

 一般人として今興味があるのは,TCLのメガネ型ディスプレイが来月海外発売へ USB-C接続で140インチ相当を手軽に - Engadget 日本版 である。これはVRでもなくARでもない。また3Dでもない。単にサングラスの中に接続したPCやスマホタブレットの画面を表示するだけのディスプレイである。7月にオーストラリアで先行販売される。価格も不明,使い勝手も不明だが,10万円以下なら購入の検討価値大だと思っている。

 筆者のモバイル仕事歴も長い。いちばんやりたくて難しいのが,通勤電車の中でのタイピングである。筆者のモバイルPCとしての1号機が,1995年のWindows95対応の東芝Libretto 50である。外形寸法は210×115×34 mm。A4サイズを縦に半分にしたような大きさで,小さいながらもフルキーボードは両手打ちできるし,アキュポイントと呼ばれるポインティング装置がディスプレイの右側にあり,膝に載せた状態でも右手で楽に操作できた。画期的なノートPCである。

 その後,ノートPCはどんどん進化しているが,現在主流のタッチパッドは,キーボードのさらに手前の中央にあり,通勤電車の中では実に使いづらい。ノートPCでの通勤電車内タイピングは現実的ではなくなった。タブレットは左手で本体を支えてディスプレイの角度を保たなければならず,意外に重い。タッチパネルのキーボードは,電車の中では両手入力ができない。片手入力するのも面倒だ。

 その点,スマホは軽く,片手入力もフリック方式などが提供され,快適である。しかしいかんせん画面が小さすぎる。画面を見ていると頭を下げなければならず,首が疲れてくる。

 メガネ型ディスプレイは,筆者の理想の一つである。膝の上に普通サイズのキーボードを置き,タッチタイピングで入力する。メガネの中に画面が映れば,視線の位置を一番楽に保てる。隣の人や前の人から画面の覗き見もできないから,重要な仕事でも電車の中でできる。

 最近見かけた「EYE THEATER FOCUS」(サンコー)も検討した。価格も1万円台と手頃だったが,画質が今ひとつという評価と見た目がいかにもゴーグルというのが気になってパスしている。

 TCLのメガネ型ディスプレイには期待したい。これまで,ソニーエプソンなど,国内大手メーカーも手掛けている分野だが,見た目も今ひとつで,決定打が出ていない。思い切った宇宙的デザインか,glassのようなオシャレなデザインか,あるいは今回のTCLのような徹底的にサングラスに寄せたデザインか,なにかそういう明確なコンセプトがほしい。ディスプレイはできたが,そこで力尽きてデザインまで手が回らなかったという感じで,本気で商品化を目指したのかどうか,疑われる。もし導入することになれば,ぜひレポートしたいと思っている。