jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

光ファイバー導入へ。でも実は災害時は心配

筆者の家のネット環境は,現在はケーブルテレビのメタル回線である。たまたま訪問販売のあった光ファイバー回線に今度変えることにした。

 以前から,キャリア系の光ファイバー回線の売り込みはあった。しかし,それ以前の通信速度で基本的に問題なく使えていたし,またテレビ画像をネット回線経由に契約変更するのが面倒だったので,ずっとメタル回線のままだった。

 筆者が1人でパソコン回線を専有していたころは,メタルの遅い回線でも問題なかった。もっと遅いADSL回線にしてもいいと思っていた。メールのやり取り,Webブラウジング,ファイルの転送程度であれば,回線さえ安定していれば問題なかったからである。電話回線を使ってモデム接続していた時代も知っている筆者からすれば,メタル回線の通信速度でも夢のように早く感じていた。

 一方,宅内の回線は,現在は無線LANが中心だが,最初はすべて有線接続だった。無線の通信速度も遅く,不安定だったことや,外部からの盗聴の危険性を考えての有線接続だった。無線通信のセキュリティ性が向上し,通信速度も上がり,宅内の接続はほぼ無線通信になっている。しかし,その先のケーブル接続による回線が,業界最遅速の契約で使ってきた。

 子どもが大きくなり,パソコンをフルに使い始めた。2020年は,新型コロナウイルスの影響で,筆者の在宅率が上がるとともに,子どもたちもオンライン授業が始まった。家族で参加しているイベントも,Zoomを使ったオンライン会議で行うことが多くなった。しかし,それでも通信が途中で途絶えることもなく,オンライン授業画像が途中で停まることもなく,家族から何も文句も出なかったのだが,たまたま売り込みに来た業者の人の言葉で,光ファイバー回線への乗り換えを決めたのだった。

 さすがに光ファイバーが近くまで延びているわけではなく,モデムの交換もする必要があるため,実際に開通するのはまだ1ヶ月ほど先になる。実質上,通信速度が100倍になる計算なのだが,まあ数倍程度ではないかと思っている。

 ファイル転送速度がもしものすごく上がるのであれば,試してみたいのがクラウド・ストレージとの同期である。筆者が日々使用しているデータは,以前は10GB程度だったのだが,最近は100GBになっている。これを持ち歩くのに,以前の16GBのUSBメモリーだったのが,32GB→64GB→128GBとどんどん大容量化している(購入のたびに,値段がほとんど変わらないのには驚かされるが)。32GBのUSBメモリーで持ち歩いていたとき,これをクラウド・ストレージ経由で同期できないか試したことがある。差分しかコピーしない設定だが,ファイルが変更するたびにネットと通信をするものだから,どうにも動きが取れなくなり,USBメモリーでのやり取りに戻している。このクラウド・ストレージの利用がもう一度できないか,試してみたいと思っている。

 しかし,光ファイバー回線には懸念も持っている。それは災害時の復旧の遅さである。2019年の台風19号の大風によって,千葉県内の電柱数千本が倒れ,停電が3ヶ月も続いた話は昨日書いたが,実は光ファイバーネットワークはさらに復旧が遅れたのである。

 今でこそ,光ファイバーについて何も語られることはないが,その技術的な難しさはメタル(銅線)の比ではない。1本の光ファイバーの太さは60μmである。髪の毛が30μmだから,いかに細いか想像がつくだろう。技術的には,光ファイバーの中は,外殻から中心に向けて屈折率を変えることで,ファイバー表面で光を全反射させ,光が外に漏れずに長距離を高速で伝わるようにしている。

 問題は,光ファイバー光ファイバーの接続である。メタルの場合は適当に接触していれば電気は通じるが,光ファイバーの場合は,中心軸がずれると光が伝わらなくなる。また,光ファイバーの端面が,軸に対して正確に90度にカットされていること,また端面ができるだけ平坦に磨かれていることなどが求められる。光ファイバーの切断,端面研磨,光軸合わせに高い技術が求められるのである。台風19号による回線切断からの復旧に時間がかかった理由は,この接続の難しさにもある(もちろん,光ファイバー普及の初期に比べて,この作業がより簡単にできる方法は開発・導入されている)。

 この「初期」を筆者は知っているため,ネットワークの光ファイバー化はそれほど加速しないだろうと想像していた。せいぜい,光軸合わせが簡単なプラスチック光ファイバーによる機器内配線の光通信化しか使われないのではないかと想像していた。この読みは完全に外れ,今や日本中が光ファイバー回線が張り巡らされている。

 電話回線の5Gは,ひょっとするとこの光ファイバー回線よりも速くなるかもしれない。光ファイバーケーブルを張り巡らせることができないほど国土が広い国では,5G回線が主流になるかもしれない。

 というのも,書いたように災害時の回線切断の危険性と,その復旧の遅さに問題があるためだ。幸いなことに,筆者の居住地域はこれまで,地震津波,大雨による洪水という被害から逃れている。関東圏にいるため,今後の大地震には見舞われそうだし,懸念されている富士山の噴火時には直撃を受ける位置にある。東京を狙ったミサイルが脅しのために少し的を外した辺りになるかもしれない。そんなことも考えつつ,約10年遅れで導入する光ファイバー回線の能力にワクワクしているところである。