特殊詐欺に対応するためのAIによる回線傍受への期待 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/2/4 と書いた。これは電話回線による詐欺の兆候を音声で分析する,というための指摘である。
というのも,インターネット上のメールのやり取りなどは,すでにプラットフォーム会社が“盗聴”していることは自明の理だからである。googleがどう言い訳しようと,gmailの文面はほぼすべて取得・解析され,いわゆるデータマイニングされ,自動翻訳などの精度向上につなげている。不審なメールアドレス,不審なタイトル,不審な添付ファイルがあるメールを,迷惑メールとして自動的にはじいている。
ところが,SNSでは誹謗中傷の書き込みが後を絶たないという。ちょうど北京冬期オリンピックが始まり,選手による選手村レポートなどがアップされているのだが,これに対して誹謗中傷のコメントを書き込む輩が出てくることが心配されている。
かつて,「2ちゃんねる」というパソコン通信において,匿名で発言できる仕組みを作ったことから,まじめな質問に対して人格を否定するようなコメントをするなど,今で言う「炎上」が相次いだ。これを放置した運営会社が告発されたと記憶している。
しかし,SNSはこうした悪質な書き込みに対して現時点でほとんど手を打っていない。テレビドラマに出演したスポーツ選手が誹謗中傷で自殺に追い込まれたという事件も,まだ解決していない。
筆者がこのHatena Blogを続けているのは,ブログに対するコメントをできないようにしているからである。はっきり言って,筆者が発信する情報が100%正しいわけではなく,当然反対意見もあることを知っているからである。ひょっとしたらこのブログを引用して,ほかの場所でコテンパンにコメントされているかもしれないが,基本的にそこに関わらないようにしている。
スポーツ選手の場合,視聴者とつながりたい,という気持ちが強いだろう。応援メッセージによって勇気づけられることもあるだろう。しかし,誹謗中傷も匿名で寄せられるため,精神的に追い詰められることもあるようだ。
この点については,2年以上も前に投稿している 日本のデジタルプラットフォームの不安--エンジニアが桁違いに少ない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/9/25。結局何1つ変わっていない。電話回線の誹謗中傷を防ぐための回線傍受を提案したが,インターネット,特にSNSは犯罪の温床になっていることは以前から分かっていた。自由主義社会で言論の自由を振りかざして,対抗するのだろう。中国では回線の遮断など,政府による荒っぽい規制が行われるが,日本はまったくの野放し状態である。
少なくとも,フィルタリング機能は必要である。デジタル庁は,こういうところはきちんと法制化して,規制する必要があるのではないか。
AIによる発言の判断と削除を法律的に推進しなければ,SNSにおける安易な誹謗中傷はなくならない。すべてのSNSに傍受のためのAPIを組み込むことを法律化すべきかと思われる。
もっとも,電話もネットも遮断されれば,また郵便や個別訪問などのオールドメディアも復活するのかもしれない。「サイバー対策課」などに大量の人員を割く余裕もない。これを解決するのが,AIだと思うのである。
まず匿名での登録ができるSNSは,即刻運用停止にする。また,複数アカウントの登録ができるSNSは,アカウントごとの類似性をAIで判定して,同一人物による登録を検出するようにする。
かつてのメールフィルタリングのような,単純な文字列比較だけでは埒が明かない。筆者が籍を置く出版社でも,熟練校正者による校正ばかりでなく,AIによる校正が取り入れられようとしている。まず,簡単なフィルタリングをプラットフォーム管理者には義務付ける必要があると考える。