jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

女子の本懐

 「男子の本懐」といえば,城山三郎 著の小説で,頑固一徹,やり抜くと言ったら何が何でもやり抜く男達(浜口雄幸井上準之助)の話である。なんだか,今考えるとすごい時代の話である。しかし今の時代でも,男は何が何でも一生懸命なのだが,政治も経済も社会も空回りしており,新型コロナウイルス禍で医療さえ空回りしている。これだけ世界でも医療技術が発展している日本で,この8月中旬の時点で感染拡大を抑えきれず,拡大傾向に歯止めがかからず,そして病院の満床が目前に迫っている。1日1000人規模の感染でこの体たらくである。アメリカやブラジルのように1日数万人が感染確認されている国でなんとか平衡を保てているというのにである。日本は何をやっているんだと思ってしまう。

 いい方向にせよ悪い方向にせよ,リーダーシップというのは「何が何でも」という姿勢が必要だと考える。対中国政策で,アメリカのトランプ大統領の異様とも思える執念を感じるが,それに魅力を覚える国民も半分いる。そういう国民性も悪くないように感じる。一方の中国は,某法律の投票で1人の棄権以外が賛成,という異常な状況である。日本のリーダーシップは今誰も持っていない。ただ迷走しているだけである。国民の“自粛”という名の行動様式によってかろうじて平和が維持されている。何が起きても,だれも立ち上がらないような不気味さを感じる。このまま沈んでいくのではないか,と思ったりしている。

 アメリカの大統領選挙で,民主党の候補のバイデン氏が副大統領として名前を挙げたハリス女史。本当は「ハリス氏」と呼ぶべきだろうが,この日本語も男社会向けにできているようだ。女性,黒人系を代表し,バイデン氏の後任として初の女性大統領になるという可能性も出ている。上院議員になるまでの経歴もすごいものがあると思う。

 「男子の本懐」の時代,あるいはそれ以前まで,男性は一家の主になることを求められ,政治,経済,社会のリーダーになることが求められた。戦後の経済成長が続いている間は,エセ“あるじ”でもなんとか家庭を維持できていたが,経済が破綻し,男子が方向性を失ってきた。がむしゃらに進む道がなくなってきている。アメリカのGAFAの経営者は,おそらく政治には興味はないだろう。ネットワークという「国家」を持ってしまい,「国民」ではなく「出店者」と「客」から「税金」を吸い上げて,わずかな社員=官僚が利益を享受できるような,いわば「社会主義社会」を持ってしまったからだ。そして,多くの男子が現在,露頭に迷っている。正社員にもなれず,派遣社員やアルバイトでカツカツの生活を過ごしている男子に,今や将来の夢を持つことも,夢のある家庭を築くことも,できなくなりつつあるように感じる。

 それでも,男性の本質的な行動様式は変わらない。周囲を押しのけ,女性に対していばり,支配しようとする。経済力のない男性とペアリングしてしまった女性こそいい迷惑である。

 今こそ,女性はがむしゃらに理想の社会を主張すべき段階に来ているのではないだろうか。アメリカのハリス氏,香港の周氏など,理性的な女性が活躍すべき時代だろう。

 ハリス氏を攻撃するトランプ氏,周氏を逮捕弾圧する中国政府。なんだかビクビクして強権発動しているように見える。

 一部の人に責任を負わせているような自分が情けないが,女性には男性に対して本当に理性でぶつかってほしいと思っている。

 ところで,日本の女性リーダーはどうだろう。小池東京都都知事に一時期期待したが,マスコミ上がりの美辞麗句キャッチフレーズ発信のみで,裏で安倍首相と取り引きをしているのも気に入らない。「東京アラート」の発信・解除後,明らかな第二波の現在もアラート再発信がない。レインボーマークもただ乱発しているようにしか見えない。要はポーズだけである。立憲民主党蓮舫氏もここのところ音沙汰ない。もっとも国会討論でもヒステリックな論調となってしまっている。

 筆者が知るところでは,日本社会党の故・土井たか子氏が,近年では唯一の女性リーダーの資質を持っていた人物ではないかと思っている。

 アメリカは,一度立ち止まって,新型コロナウイルスをコントロールできる社会を構築すべきではないだろうか。バイデン氏,ハリス氏のリレーでこの難局を乗り切ってほしい。その姿は,世界の女性を奮い立たせるのではないかと思う。あえて女性の皆さんに『女子の本懐』を持ってほしいと願うものである。