jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

大雪とドローン(追記あり)

新潟や長野などを中心に,2020年12月16日から2日間で1mを超える積雪になっている。1日当たりの積雪量としての記録を超えているようである。

 災害時にドローンを活用するという提案を2020/7/10した。

災害時にもっとドローンを活用せよ - jeyseni's diary (hatenablog.com)

 この時は,大雨による堤防崩壊の危険箇所の監視と,万が一の洪水時に取り残された人の救出などに,長時間運転が可能で搬送重量が100kg程度と大きい大型の産業用ドローンを利用できないか,というものである。

 今回の大雪で,利用の可能性として二つ思いついたので,提案することにする。

 一つ目は,屋根の雪下ろしである。

 雪下ろしは重労働であると同時に,屋根からの滑落による怪我や死亡が毎年多く報告されている。例年多くの積雪がある地域でも,対応がなかなか難しいのか,一気に積もったときには家屋の倒壊の前に雪下ろしできないこともあるようだ。重機もなかなか入ることができず,また重機が1台入ると逆に交通が止まってしまうこともある。

 ドローンはまず,移動が容易なので,作業が終わって次の作業に移る際に,すぐに移動できるのが特徴である。孤立してしまった集落への物資搬送にも使える。

 ドローンと雪かきはあまりイメージしにくい。特別な装備を開発する必要はあるだろう。感覚的には,ホバリングしながら屋根の上部に綱を下ろし,その先に何らかの器具を付けて積雪の一部を引っ掛けて滑り落とす,という仕組みである。屋根に引っ掛からないこと,万一引っかかった時にドローンを開放できること,など解決する課題は多い。作業は人力でできる器具を,運んで配布する,というところから利用を始めるといいかもしれない。

【追記】ドローンでできそうな雪かきイメージとして,「放湯」はどうかと思いついた。空中にホバリングし,屋根の雪に対してまず屋根の斜面方向に1m間隔で放水して雪を切る。この放水には高圧洗浄機を使うと,少ない水量で短時間に効率的に雪を切ることができる。次に斜面に直角方向に1m間隔で横方向に放水して雪を切る。要はサイコロ状に雪に切れ目を入れ,この単位で雪のサイコロを滑り落とさせるのである。サイコロの間隔は,実験して最適な数字を出す必要があるだろう。これなら,超大型の産業用ドローンでなくても,搭載重量10kg程度の中型のドローンでも可能だと思われる。個人で購入してもいいのではないだろうか。

 二つ目は,道路で移動不可能になった車への食糧供給である。今回の積雪では,関越自動車道に1000台以上もの車が積雪によって移動できなくなった。結果として30時間程度も動けなかった人が出たという。

 雪で渋滞してしまうと,除雪にも時間がかかるため,救出には時間がかかる。渋滞が膠着状態になってたとえば6時間を経過したら,ドローンを災害出動させ,非常食,簡易トイレなどの配布をする体制を作る。飛翔しながら1セットずつ近くに落下させるようなアダプターの開発は必要だが,たとえば機関銃の弾倉のように非常食セットを連続してセットし,切り離しながら配布する,などの機械的な工夫はできるのではないだろうか。

 大雨のときのドローン利用については,雨や風に強いことが求められたが,これは「産業用」「農業用」ドローンで基本的に解決されている。大雪の場合は,これに加えて雪がボディやブレードに着かないような工夫が必要である。また,樹木や電線などを回避できるインテリジェンスも必要だ。高速道路なら飛行ルートは決まっているので,何度でも訓練ができる。

 国内の農業用ドローンは1000台を超えているという。ドローンの免許取得ができる大学の学科も登場した。正直,ドローンは安全性の面でまだまだ課題が多すぎる。そもそも,空を飛ぶものはすべて,落下時の被害が大きい。ただ飛んでいるだけの飛行機はまだしも,災害救助を担当するヘリコプターは墜落の危険性が高い。災害救助用ドローンは無人飛行のため,さらに安全性が必要である。空飛ぶタクシーへの利用も考えられており,安全性を考える機運は高まっているとは思うが,産業用,特に災害救助用にも,安全性を極めてほしい。

 今回の積雪による車両渋滞の場合は,ヘリコプター出動で非常食の配布をしても良かったのではないか。高速道路会社は,やはり緊急時用のヘリを確保してはどうだろうか。平時の事故対応でも,状況確認が遅すぎるような気がする。「白バイ野郎ジョン&パンチ」というアメリカのドラマを思い出した。もう50年も前のドラマだが,白バイで容疑者を追いかけると同時に,必ずヘリコプターも出動して,両面作戦を展開していた。広いアメリカならではのことだが,その機動力はやはり優れている。日本はこれをインテリジェントなドローンで解決してはどうだろうか。