jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

除雪機について考える

筆者の住まいは埼玉県南部である。スタッドレスタイヤが活躍するような積雪があるのは,3年に1回ぐらい。それも年に1回,1週間ぐらいの間である。

 うまい具合に,積雪があるのが金曜日の夜ばかりで,土曜日の朝の雪かきは筆者の仕事になる。筆者宅は約20mの路地の一番奥にあるため,自宅の前だけの雪かきをするだけではクルマすら出すことができない。そこで,積雪のたびにこの路地の雪かき全体をまず担当する。

 もうこの土地に来てから20年が経つ。最初はブレードの大きいプラスチック製の雪かきスコップを購入したが,湿った雪は重く,1年めにしてブレードが割れ,軸も折れた。現在使っているのは,アルミ製ブレードで先が一直線になった雪かき用スコップと,通常の鉄製で先が三角形になった普通のスコップである。アルミ製スコップで雪をかき,鉄製スコップは凍りついた雪を割って除去するのに使っている。

 朝一番でまずこの路地の雪かきをして,全部で5軒ある路地周りの住人が,普通の靴でも歩けたり,クルマでの出入りができたりするだけの雪かきをまず行う。この雪かきの最中,路地から大通りに雪を移動させていると,大通りの歩道の雪が気になる。土曜日で時間があるので,引き続いてこの大通りの歩道の雪かきを行っている。

 なぜ歩道の雪かきをするかというと,このまま放置してみんなが歩道の上をどんどん歩くと,雪が踏み締められて固まり,これが夜の寒さで凍って,次の日の朝には歩道が凍りついてしまうからである。歩道は通常でも平ではなく,車道に向かって少し傾斜がついている。まして,筆者宅近くの歩道は,若干上りになっており,恐ろしく滑りやすいのである。しかも,凍った歩道は,雪が降らないのに1週間ぐらいは融けない。月曜日からの通勤通学時に,非常に危険なので,これは雪が降るたびにボランティアで作業をしているのである。

 正直,路地の雪かきはご近所さんが手伝ってくれることもあるが,歩道の雪かき,そして翌日に凍った氷の削除に協力してくれた人は,これまで一人としていなかった。ほぼ200mにわたって,建物の陰になっている場所で,特に凍りやすいのである。ご苦労さま,と声をかけてくれるケースもほとんどない。中には邪魔者扱いする人もあった。

 雪かき作業をするたびに,除雪機が欲しいなと思って,ネット検索してきた。安いもので3万円ほど。しかしそのたびに,この投資は本当にすべきものなのかどうか考えてしまっていた。

 今回の関越自動車道の積雪による立ち往生で,ボランティアで非常食を運ばれたバイク店の人々の行動を見るにつけ,家庭用の除雪機でも50m置きぐらいの範囲の雪かきができれば,立ち往生の解消をもう少し早くできたのではないか。全長60kmとなると,1000台以上の家庭用除雪機が必要で,それを現場に持ち込むのは現実的ではない。しかし,何かできたのではないのか。

 スノーモビルで現場に駆けつけたというバイク店の人にしても,路肩の不整な雪の上を進むのは転倒する危険もあり,転倒によってクルマを傷つけたり,路肩を歩いている人と接触したりする危険もある。それでも行動を起こさなければという気持ちだったのだろう。

 降雪地域の雪かきは,若い人にとっても重労働である。ましてや,現在は高齢化が進んでいる地域である。スコップによる雪かきは大変である。屋根の雪下ろしでの落下や,屋根からの落雪に埋まって亡くなる方も多い。降雪地域の自治体には,動力雪かき機を準備して貸し出したりしているだろうが,あくまでも「地域住民用」であり,町を横切る「他の官庁や企業が管理する道路は対象外」などと思っているのではないか。

 筆者宅の前の大通りは,国道のバイパスである。その歩道はたぶん国が管理しているのだろう。歩道には排水溝が掘られているが,その排水溝の蓋が壊れたら,誰にお願いして直してもらったらいいのか,正直言ってわからない。たぶん,市に聞けば「国の管轄道路」だからと言われるのだろうか。国って,国土交通省に直接連絡するのだろうか。

 この理屈と同様に,この歩道沿いの住民は,自分の土地でも私道でもないので,雪かきをしない。ゴミがかたまっていても片付けようともしない。自分の家側の塀にイヌがおしっこをしたら激怒するくせに,そのすぐ前にある生い茂った雑草を抜こうともしない。本当に民意が低い地域だとも思っている。

 正直,来年には筆者は前期高齢者の仲間入りをする。身体は丈夫なつもりだが,無理をすると「年寄りの冷水」と言われかねない年齢である。降雪地域ではないので,近くのDIYショップにもさすがに除雪機は取り扱っていない。決心したらネットでポチッと買うことになるのかもしれない。住宅街なので,運転音が比較的静かな電動式がいいと思うが,バッテリー式だとたぶん路地の除雪だけで終わってしまうだろうから,AC電源式がいいと思う。しかしこれだと,200mの歩道の除雪のために自宅から電源ケーブルを引かなければならない。業務用の巻き取り式電源ケーブルでも,一般に30mぐらいしかない。歩道沿いの家庭の屋外コンセントを使わせてもらうことも,おそらく無理だろう。現在はまだ勤め人のため,自治会活動にはゴミ拾いのときぐらいしか参加していないが,そろそろ通学時の「みどりのおじさん」などの役が回ってくる段階なので,自治会でどういう準備をするべきなのか,確認していきたいと思う。

 ちなみに,歩道の横の排水溝も,おそらくゴミや土がかなり溜まっているのだが,これも定期的に清掃したいと考えている。少しでも強い雨が降ると,この排水溝に入りきらない水が歩道に溢れて流れ出し,筆者の家の前あたりで巨大な水たまりを作るからである。

 この交差点で交差するもう1本の道はもっと酷くて,そもそも側溝がない。雨が降るとその上方から大量の水が道の半分ぐらいを川状態にして流れ,そして国道の歩道に撒き散らすのである。筆者が生まれ育った関西のある町は,どの道にも側溝があった。側溝には蓋がなくオープンであるため,障害物を取り除いたり,清掃することは容易だった。関東に来て,ほとんどの道に側溝がないことにまず驚いていた。関東人は,溝に落ちて怪我をするとでも思っているのかなと思ったりした。しかし,車が走る車線より歩行者の歩く部分は低いため,雨が降れば歩行者は水たまりの中を歩かざるをえなくなる。側溝があれば雨水は側溝に流れ,歩行者は普通に歩くことができる。

 関西人はケチだと思われているが,こういう当たり前な施設には投資していると思う。街を守ったり,美しくしたりする,という意味で,関東の民意がやはり低いのではないかと思ったりするのである。さて,除雪機どうしようかな。本当はもう一つ,停電時の小型発電機も買いたいと思っているところなのだが。