橋下徹氏、東京の感染リバウンド傾向も「死者数、重症者数を見ながら判断しなければいけない」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース 2021/6/28 との元大阪府知事の橋下徹氏のコメントを見た。「リバウンド」として,感染確認者数が前週を上回る日が数日続いているが,重傷者数や死者数はあまり増えていないはずだ,というのである。
同じ指摘を筆者は 感染第5波と第4波の違い(若干楽観論) - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/24 でコメントしている。今回の第5波では,医療逼迫は避けられるかもしれない,という楽観論である。
そもそも,感染確認者数だけで議論している実態について年初から指摘している 重症者,死亡者の関係が見えない--日別変化をもっと細かく発表すべき - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/2/22。このころは医療逼迫が起きて大変な時期で,さらに自宅で待機あるいは様子見の間に,治療を受けることなく死亡される方が続出した時期である。重症者が次々と亡くなるが,重症病棟が次々と埋まる状況が繰り返されているのではないかと考えて,細かく発表すべきだと指摘したが,いまだに実現していない。
実は,橋下氏のコメントにあるように,感染確認者は増えているが,死者数,重症者数はそれほど増えてなければ,経済は止めるべきではない,というのは正論ではある。
ただ,これまでこの傾向をだれも分析していないので,筆者としては「第5波がやってきた。再度緊急事態宣言を発して,オリンピックも中止しよう」という流れになることを期待している。ちょっと嘘っぽいが,「感染拡大は再度始まっている」ことは事実だからだ。
実際,イギリスでもリバウンドは起こっているが,医療逼迫に陥っていないのか,ロックダウンは実施されていない。同じデルタ株でオーストラリアのシドニーはロックダウンしているのと対照的である。
つまり,今回に限って言えば,マスコミによる「リバウンド」報道によって,世論がオリンピック中止に動き,世界もオリンピックをボイコットする方向に動き,ワクチン接種を加速する方向に進み,気がついたら新型コロナウイルス禍が収まっていた,という流れを作りたいのである。
これから1万人の選手を30日間で受け入れるとすると,単純平均で1日330人をさばかなければならない。実際は開会日の直前にピークが来るだろうから,その1週間は1日1000人の来日になるだろう。これを本当に検査してバブル方式で移動させられるのだろうか。1人の感染が確認されたら,その団体のたとえば300人を隔離するスペースがあるのだろうか。「今後の来日選手に感染陽性者はいない」と念じながら目をつぶって行動しているとしか思えないのである。