jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

男性がテレビに出てきて違和感を覚えた件

たぶん,2021年10月から,NHKのテレビ体操番組の運動メンバーに男性が加わった。それまでは女性2人ないし3人が運動メンバーだった。

 女性2人が演技していたとき,1人は立ち姿勢,もう1人は椅子に座った姿勢で同じ内容の体操をしていた。高齢者などに配慮した態勢で,好感が持てた。座り姿勢で体操しても,結構あちこちの筋肉に刺激があり,オフィスワーカーには座り姿勢での体操も参考になると思った。

 どちらが最初かわからないが,かつてはレオタード姿だった服装が,短パン姿に変わった。これは,オリンピックの女子体操競技でのレオタード着用義務への抵抗をしたドイツチームの意図と同様,性の対象として見られることに対する措置であり,これも評価される。

 今回の,体操番組の男女混合メンバーによる演技には,好感も寄せられているようだが,筆者は何か違和感を覚えている。家族に話しても,意見は別れている。

 おそらく,「音楽に合わせて体操をする」という設定において,男性が体操するのが不自然なのではないかと思った。体操競技では,男性は音楽なしで,女性は音楽に合わせて演技をする。新体操の場合は,男女とも音楽に合わせて演技するが,男女混合種目はいまのところおこなわれていない。スケート競技では,男女とも音楽に合わせて演技するし,男女ペア競技もあるが,現在のところ男女対等な競技ではなく,男性が女性を支える役というペア競技である。社交ダンスも同様である。

 ラジオ体操は,音楽に合わせてみんなで体操する。男女平等である。また一時期流行った筋肉トレーニング体操では,男女メンバーが出ていてもそれほど違和感はなかった。

 その中で,NHKテレビ体操だけが筆者に違和感をもたらすのはなぜだろう。変に短パンで演技するからではないか,というのが率直な感想である。トレパンでいいのではないかと思うのである。体操競技でも,床と跳馬の演技以外はトレーニングパンツである。

 もう1つ,違和感を覚えたのが,家庭料理番組への男性シェフの出演である。世の中,飲食店のシェフはおそらく9割以上が男性である。和食も洋食も中華も,だいたいは男性シェフである。

 一方,家庭料理の担い手は,9割は女性である。したがって,家庭料理の紹介は,女性の料理研究家が指導してくれるのが,抵抗がないように見える。男性の料理研究家の場合も,一般の家庭の主婦に対して語りかけるので,これもそれほど違和感はない。料理学校の講師からの指導もそれほど違和感はない。

 しかし,いわゆる一流シェフが登場すると,それはもう家庭料理の指南ではなく,プロの技の自慢にしか見えない。有名人ゲストが試食する番組で一流シェフが出てくる場合は違和感がないが,一般の家庭の主婦に対して一流シェフが教える,というと,単なるトップダウンにしか見えないのである。基本は高級な食材を使う。おいしいに決まっている。

 テレビ体操の時間,テレビを観ているのは主に家庭の主婦である。料理番組の時間も,視聴者は家庭の主婦が中心である。体操の運動メンバーが女性だけでも問題ないし,わざわざ男性シェフが出てくることもない。

 視聴者が高齢者の場合を考えてみても,高齢男性は若い女性が演技している方が元気になる。これに対して高齢女性が若い男性が演技していても何とも思わないのではないか。ならば体操の運動メンバーは女性で良いのではないか,と思ったのである。

 変な形ばかりの多様性是認ばかりを進めていくと,ではトランスジェンダーの人はどうする,障害者はどうする,とキリがなくなってしまう。形ばかりの対応は,メディアの「自己防衛」であり「逃げ」である。