jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

今じゃないでしょ--コロナ禍に軍事侵攻をすることへの失望と,地方自治体の活躍に期待

2022/2/24 ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めてしまった。人類は今,何と戦っているのか,といえば,新型コロナウイルスではないか。戦争や軍事侵攻など,している場合なのか。

 ロシアでも,オミクロン株と思われる第6波に相当する大きな波が2022年1月以降来ている。つい2週間前の2/11,2/12には1日の感染確認者数が20万人を超えたところでピークアウトして現在は13万人となっているが,2021/10/28には1日4万人を超えたところでモスクワではロックダウンも実施された。このころは1日の死亡者数が1200人,現在は800人前後で推移している。感染者数,死亡者数ともオミクロン株の特徴を示している。

 ロシアでのワクチン接種はあまり進んでいない様子である。1回接種率が53.65%,2回接種率で49.67%である。ただ,国土が広く,人口密度も低い地方での感染拡大は少ないという事情もあるのかもしれない。それでも,死者数の累計が35万人になろうとしており,同国にとっても喫緊の課題のはずだと思う。

 しかもスプートニクVというロシア製のワクチン開発が2020年8月という早い段階で発表され,世界に向けてワクチン外交という強力な手段を手にしたのだが,アルゼンチン、ベラルーシハンガリーセルビアアラブ首長国連邦など21ヵ国で使われたものの,西側諸国は中国製ワクチンも含めて受け入れなかった。この辺りの確執もあったのだろうか。

 プーチン大統領は,「ウクライナの平和維持のため」と言っているのだが,西側は軍事侵攻つまりウクライナを併合するための戦争だと捉えている。すでに双方で50人以上ずつの犠牲者が出ているのが残念である。

 ウクライナの国の中が,ウクライナ支持とロシア支持で真っ二つに割れていたことも問題だったのだろう。ヨーロッパ,アジア,アメリカ,アフリカと,すべて陸続きの中に多くの考えを持った人たちがそれぞれのグループで生きていく中で,いわば縄張りの線引きで土地を取り合いになっているのが本質的な問題なのだが,国と国の間,人と人の間ではどうして譲り合うことができないのだろうか。

 すでに西側諸国も国連も,プーチン大統領に対して汚い言葉で非難の声明を出してしまった。残念ながら,言葉の駆け引きではプーチン大統領の策略に乗せられて拳を振り上げてしまった。

 しかし先制攻撃をしたロシア側は,戦略を誤った。ここは,親ロシア派勢力地域までは軍隊を進めて,防戦態勢を整える,というだけでよかったのである。その線引き変更は,残念ながら必然だと思う。しかし,線引き変更したあとは,お互いにそれぞれの立場を尊重して,それぞれが世界のために切磋琢磨して努力するのが,今,世界中で求められているのではないか。

 正直,COVID-19の対応で世界が一丸となってウイルスに立ち向かうことで,世界が1つにまとまることを期待したのだが,残念ながら世界中で温度差ができてしまった。

 今からでも遅くない。まず,ロシアは火器の使用をただちにやめることである。今やめれば,まだ話し合いの可能性が残っている。プーチン大統領は,「平和維持」を再度表明して,親ロシア派地域のみをロシアに再併合することを提案し,国境の引き直しを提案する。西側は,この取引に見合った利益を得るためのカードを握ることになる。

 一方,日本はどうだ。G7の1国としての協力態勢は取るのだが,結局日本は何のカードも持っていない。経済制裁することもできないし,まして軍事力を提供することもできない。ただ「情勢を見守る」だけしかできない。仮にミサイルが間違って飛んできても,自国民すら守ることができない。

 それでも岸田首相は,まず国際情勢に対しての国としての姿勢を明らかにすることが求められる。国内の新型コロナウイルス対策が二の次になってしまう。

 ならば,今活躍するのは,各地方自治体ではないのか。重点措置が軒並み3/6に終わるように設定されているが,そんな国との駆け引きを別に,ここは自治体独自,また自治体間で連携して,どんどん政策を推し進めなければ,住民を守れない。待っていても仕方がない。

 アメリカ合衆国では,それぞれの州の長がそれぞれの州の事情に合わせて独自の政策を進める。その成功事例をベースに国政に打ってでる。知事の皆さんも,国にしっぽを振るだけではなく,もっと独自の政治手腕を発揮してはどうか。

 今,西側が攻撃を始めたら,それは第三次世界大戦にもなりかねない。これは何としても止めなければならない。しかし,日本にはその交渉力も交渉ルートもない。ならば,眼前のCOVID-19危機を押さえ込むことにもっと必死になるべきではないか。

 感染症対応できる医療現場の逼迫が日に日に危険度を増している。一般医療側の主張が,何となく「とばっちりを受けている」というエゴに聞こえてしまうのはなぜだろうか。今こそ,全医療人がもっと一致協力してCOVID-19に立ち向かわなければならないのではないのか。そして日本国民も。

 被害が出ることは望まないが,どこかに1発,ミサイルが落ちない限り,日本人の平和ボケは治らないのではないかと危惧する。もはや,「ゆでガエル現象」がそこまで来ているのを感じるのである。