jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

枕を考える--タオルを重ねた自作枕が意外に快適

枕の市場が熱い。といっても,ここ数年といったレベルではなく,もう何十年もさまざまな枕が市場に登場している。枕の中に入れる素材,形状,高さなど,何が正解かわからない。値段もピンきりであり,数万円という枕も普通に販売されている。

 筆者は,頭からの放熱が多いようで,寝ている間に頭が枕に当たっている部分が蒸れる。したがって,通気性のいい枕がほしいといつも思っている。高さは低めがいいと思っている。とはいえ,世間で評判の枕は,いろいろ試してみたく思っているのだが,数万円の枕は手が出ない。仮に自分のニーズにピッタリだとしても,リピートできるかといえばそれほど裕福でもない。あとはそのアイディアをいただいて,自分に合った枕を実現する実験をする,ということになる。

 たとえばホテルの巨大な枕。使い方としては背もたれのように身体を少し起こして使うようなのだが,筆者は平らに寝たい派なので,基本的には使えない。頭を載せると首が前に倒れたような状態になる。だいたいどのホテルの枕も筆者にとっては×である。

 頭の熱がこもらない枕として,一般にベストと言われているのが蕎麦殻(ソバガラ)枕である。子供のときもソバガラ枕だった。修学旅行で行った旅館の枕もソバガラ枕だった。多いのは俵形で断面が丸い枕だった。クッション性があまりなく,ソバガラがこすれる音が聞こえるのが気になっていた。枕の布地が破れると中身が飛び散るのも嫌だった。

 ソバに対するアレルギーは筆者にはないのだが,ソバガラ代替で通気性がいいという充填素材がいろいろと提案されている。プラスチックの穴開きチップ,ヒノキのチップ,マイクロビーズなどがある。マイクロビーズは音があまりきにならないが,意外と熱がこもる。その他の素材は音が気になる。

 熱を逃がすために,ジェル状の液体が入った枕も試してみた。最初はヒンヤリした感じなのだが,だんだん温まってくる感じが気になった。また,ジェルが入っているために,袋の素材は軟質ビニール系となり,汗を吸ってくれない。熱を冷やすための冷却枕も,温まってくるとベタつく感じがあり,あまり好きではなかった。

 通気性を持たせるなら,メッシュ素材がいいと思って,これもいろいろ試している。古いものだと,ビーチチェアのようにビニールを編んだシートを枠に取り付けた枕から,最新のプラスチックの3次元網目構造の素材まで試しているのだが,基本的にプラスチック系の素材のため,汗をかいてしまうと汗を吸わない。汗を吸わせようとしてタオルを1枚巻くと,一気に通気性が悪くなって熱がこもるようになる。

 結構お気に入りの素材として,竹で2✕4cmの竹片を作り,これをつなぎ合わせた竹シートがある。竹素材も竹片と竹片の隙間の効果で熱がこもりにくい。音もそれほど気にならない。厚さは,シートを重ねることで調整した。これは現在行き着いた最終形なのだが,夏はいいが冬は冷たく感じるため使いづらいという悩みがあった。

 通気のためにファンで空気を送り込むタイプも考えた。これはこれで快適なのだが,ファンのモーター音がどうしても気になる。また,使用時間が長すぎると今度は冷えすぎてしまう。うまく行かないものである。

 もう1つの素材として,低反発クッション枕もいろいろ試してみた。製品の厚みはそれなりにあるが,頭を載せたときには深く沈み込み,ちょうどいい高さになる。寝返りを打っても,それに合わせて沈み込んでくれるので,寝返りしやすい。首側に厚みのあるタイプは,頚椎を支えてくれて首のストレッチ効果もあり,気持ちがいい。素材としては好みなのだが,通気性が悪く,熱がこもる。

 枕の高さは低めが筆者には合っているのだが,上記の竹シートの薄い枕では頚椎を支える部分がない。朝になると首が痛くなることがある。

 最近試しているのが,なんと普通の綿のタオルである。タオルのいいところは,折り方や枚数を工夫すればたとえば高さを5mmずつぐらい加減して,好みの高さを作れることである。頭の部分の厚さと頚椎の部分の厚さを変えることも容易である。素材はタオルなので,汗を吸ってくれる。メッシュに比べると通気性は劣るが,綿素材なので意外に熱がこもらない。

 枕のコンサルタントも,最初に客の好みを調べるのにタオルやバスタオルを折って高さを調整すると聞いている。それをそのまま枕にしてしまうというアイディアである。厚みが決まれば端を止めて固定すればいいし,タオル地なので洗濯も簡単である。

 アイディア枕を買うことは否定しないが,自作した方がいい場合もある。タオルさえあれば,どこでも自分の好みの枕を再現でき,旅先でも困らないかもしれない。いちどお試しあれ。