何でもかんでも,カタカナにしないでほしい。新型コロナウイルスは正式名称と新略称を提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/3。
このときは,熱海市伊豆山の土砂崩れの際に,大雨による街中での河川の氾濫について「バックウォーター現象」というのを「逆流現象」または「内水氾濫」でいいのではないか,とコメントした。
梅雨が開けて,いきなり熱波が襲ってきた。すると「熱中症アラート」という言葉が飛び交い始めた。「熱中症警報」「熱中症注意報」でいいのではないか,と思ったりする。直訳でも「熱中症警戒」と言える。そうすると「警戒」と「注意」の差がまた不明である。
もっと訳が分からないのが,「熱中症警戒アラート 」。こうなると,さっぱり訳が分からない。2020年は,6月に「東京アラート」,7月に「神奈川警戒アラート」などが発令されている。カタカナにすることで,さらに意味が分からなくなっている例である。
以下の議論を受けて考え直すと,アラートとは「心の準備」という感じで,「ちょっと気にしてね」ぐらいにしか聞こえない。正直言うと,熱中症のための日傘や冷却タオル,水分を「物理的に準備して行動してほしい」という具体的なメッセージであってほしい。
大雨などによる避難を呼びかける言い方は,「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に1本化された。「勧告」は“~した方がいい”という言葉なのだが,「告」という文字があるためにかなり強い印象がある。「警告」という熟語にも「告」という文字が見える。「警告」は英語で適当なのは「warning」かと思うが,その和訳には「警告, 警報, 注意, 警戒」と全部入ってくる。
alert, caution, warningはいずれも「注意する」という意味なのだが,alert(注意)→ caution(警告)→ warning(危険)だという解釈もある。
日本語でも3段階にきちんと決めるといいのではないかと思ったりする。筆者的感覚で熱中症を例にすると,熱中症「対策準備」→熱中症「警報」→熱中症「退避指示」ではどうだろうか。主語を変えると,たとえば土砂災害「対策準備」,土砂災害「警報」,土砂災害「退避指示」となる。台風だと,台風「対策準備」,台風「警報」,台風「退避指示」となる。
「対策準備」になると,水を汲み置く,ラジオを用意する,避難場所を考える,など,具体的な準備をする,という明確な意味を持たせた方がいいと思う。