jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

大国の奢り,小国の下剋上--なぜ人は戦うのか。今は「地球存続の危機」と叫んでも詮ない

ロシアという大国が起こしたウクライナ侵略が泥沼化してしまった。開始から4ヶ月が経過しても終わりが見えない。ウクライナNATO加盟候補国への承認も,現段階では逆効果となってしまっているように思う。

 クリミアを簡単に併合したロシア(プーチン集団)は,その隣国であるウクライナも簡単に併合するために,大国の論理で侵略を起こしたのだが,ウクライナの思わぬ反撃に遭って進みあぐねている。

 ゼレンスキー大統領の発言に違和感--クリミアまで取り返すことに言及するとは意外 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/5/25 と書いてから1ヶ月も過ぎてしまった。ロシアは振り上げた手の下ろしどころがなく,ウクライナ自由主義国家からの支援を得られたとして自分たちが正義だと確信してしまった。妥協の余地がまったくない状態である。

 ロシアの侵略は,今の時代に許されるものではないが,ウクライナのゼレンスキー大統領の意地も度が過ぎているように思う。ウクライナ国民自身が,大統領をどう支持しているのか,そろそろ微妙になってきているのではないかと心配である。

 日本は,自由諸国側の経済制裁に同調しているが,100%ではない。ロシアのLNG開発には引き続き協力している。日本の周囲をロシア艦隊に航行されても,懸念を示すばかりで,確固たる反応がない。ロシアと陸続きの欧州各国と違い,日本海でつながりが切れていることをいいことに,のんびり構えているように見える。ウクライナ侵攻後のトップ協議も行われていない。

 地球温暖化対策で,世界中がやっとある程度具体的に動き出したが,各国の利益や書類上の取引での数字的なゴマカシによって二酸化炭素排出量規制はほとんど進んでこなかった。世界の工場となった中国が,大量の石炭火力エネルギーによってモノを生み出しているにも関わらず,今度はその商取引において世界経済を牛耳って,自国の二酸化炭素排出を正当化している。それすら解決が難しいのに,これに加えてウクライナ侵攻によるエネルギー問題,食糧供給問題が深刻化している。新型コロナウイルスもまだ抑えきっていないし,さらにサル痘感染も不気味な広がりを見せている。「戦争なんかしている場合か」と思うのだが,結局目の前のことにしか意識が向かないのだろう。

 興奮状態にある双方のオスに,他のオスが何を言っても聞く耳を持たないように思う。こういうときこそ,女性の登場ではないかと思う。しかし,EU加盟の候補入りを宣言した欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は,ゼレンスキー大統領を増長させてしまった可能性があり,逆効果だったかもしれない。ロシアと国境を接し,ロシアからの次の侵攻が心配されるフィンランドスウェーデンNATO加盟は必須だと思われるが,国民をすでに盾にして西側の支援を強調し続けているウクライナの加盟は,戦争容認と受け取られても仕方がないのではないか。

 一方,プーチン大統領と親交のあったドイツのメルケル前首相は,その後の動きが見えないがどうなのだろうか。プーチンのお尻をペンペンして反省させる,という関係ではないのだろうか。

 オーストラリアでも女性首相が退陣してしまった。有事への対応には,毒をもって毒を制するしかないのだろうか。あとはクーデターか。それとも岸田外交か。こういうときの阿部(晋三),森(善郎),鈴木(宗男)という切り札を自ら切る勇気のない政治家の情けなさを思う。