jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ワクチン注射を巡るミスの連続--医師・医療機関にプライドはあるのか

筆者は,人の批判をしないのが信条なのだが,新型コロナウイルスのワクチン接種を巡るさまざまなミスについては,医師・医療機関のプロの仕事とは思えない。あえて指摘させていただく。

 冷凍庫,冷蔵庫の本体の「欠陥」や「設計ミス」「フェイルセーフ機能の欠如」については,製造したメーカーの責任だが,それがいったん医療機関や接種場所で管理するのは,使用者の管理責任でもある。

 一方,バイアルの取り扱いについては,医療機関側の責任である。バイアルへの生理食塩水1.8mLの注入,シリンジへの0.3mLの吸入も,医療機関側の責任において実施されている。

 このプロセスにおいて,生理食塩水の量を誤って希釈しすぎたり濃すぎたりすることは,あってはならないことである。空のバイアルに生理食塩水を入れて,ただの生理食塩水を接種してしまう,ということも,あってはならないことである。

 最も問題なのは,一度使用したシリンジを再度使ってしまうというミスである。また,接種する相手を確認せずに同じ会場で2回接種してしまったりするミスである。

 当初から,これらのミスが毎日のように報道されている。ワクチン接種を行うのは,医者,看護師であり,医療のプロである。インフルエンザワクチンの接種にしても,普段から注射をすることには慣れているはずである。

 その後,研修医から歯科医,獣医,そして復帰した看護師など,接種を担当する医療関係者の範囲が広がった。シリンジへのワクチン吸入業務は,薬剤師が担当する接種会場も出てきた。

 しかし,多くのミスは医師,看護師のチームの段階で起きている。筆者もこれまでに多くのミスを起こしているが,常にそれを繰り返さないようにするにはどうすればいいか考える。筆者の好みとしては,デジタル的なチェックの方法をまず考えるのだが,アナログ的な方法を使わないとうまくいかないこともある。デジタルだと,データを更新すると更新前のデータの多くは消えてしまう。いつ,どこで,何をしたかという履歴をすべて残すことはできない。 

 接種券にあるように「シールを貼り替える」というアナログな方法は,間違いが少ない。しかし,それをデジタルの履歴として残すには,情報を転記する必要がある。ここで間違いが生じる。そこで使われるのがQRコードなどだが,医療機関ではこの辺りの機器の操作に慣れていない。

 確かに,今回のワクチン接種は,民間医療機関に一気に負担をかける形になっている。専用冷凍庫の準備,新しいワクチンの取り扱い法,希釈など,接種周りの実務以外に,予約の受付業務,接種後の厚労省へのデータ入力業務なども加わった。現場はてんてこ舞いなのだと思うが,それでも「ワクチンの品質管理,接種に関する業務」に間違いがあってはならないと思うのである。

 新型コロナウイルスの中症者から重症者までの治療・看護に当たるのは公的病院である。2020年からの新型コロナウイルス禍での病床逼迫は,この病床数が少ないことに起因している。これに対して,ワクチン接種をする業務は個人経営も含めた公益法人、医療法人、社会福祉法人などの民間病院やクリニック,診療所などである。

 まさかとは思うが,時々刻々容態が変わり,死にも直面している医療現場と,予防医療が中心の医療現場で,患者に対する接し方に差があってはならないと思うのである。

 日本でのワクチン接種が始まる以前から,ワクチン接種が原因の可能性のある副反応やアナフィラキシー,関連を疑われる死亡例が報告されている。より正確な接種を心がける必要があるのではないか。希釈ミス,保管ミス,シリンジの再使用などのミスは,少なくともあってはならないのではないか。

 注射を打つという行為は,明確な医療行為である。医師,看護師の免許が必要である。しかし,突然降り掛かってきたワクチン接種業務で,毎日何十人もの問診をして注射を打つという行為が,もう何十日も続いている。最初は不慣れな業務,そしてその後は慣れによる緊張感の薄れ,煩雑な事務作業などで,疲弊してきているのではないか。

 ワクチン接種による診療報酬はない。「予診」(問診・検温・診察)を行った場合でも、初診料や再診料・外来診療料の算定はできない。その代わり,人件費補助などはある。この辺りの業務増と負担増を天秤にかけているのではと考えているのである。

 ほとんどのワクチン接種で15分の様子見の間に副反応は出ない。受付から接種,様子見,接種券引き渡しまでの繰り返し流れ作業になっていないか。注射は,患者にとっては緊張を強いられる行為である。だれも注射を好きな人はいない。痛いし,微小量とはいえ出血はある。アルコール消毒をすると言っても,何らかの感染の危険を感じないわけではない。そして,副反応やアナフィラキシー,そして場合によっては・・・という疑いもある。あまり軽く扱わないでほしい。プライドを持って,責任を持って,ワクチン接種をしてもらいたいのである。