jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

悪事は「ドラマの中」だけにしてほしい--医療,行政,警察・司法などに関わる専門職は気を引き締めてほしい

筆者が好きなテレビドラマは,サスペンス系と呼ばれるジャンルである。刑事モノ,探偵モノで,事件解決するプロセスが面白い。これに医療モノが比較的最近加わった。

 苦手なのは法廷モノである。ただ,検事系でも弁護士系でも原因を“探偵”的なアプローチをするシナリオは面白いと感じる。法廷論争は苦手である。

 医療モノが好きになったのは,「ドクターX」を視てからだったと思う。筆者の世代の医療モノと言えば「白い巨塔」であり,「ああ,医学界はイヤな世界だな」と思ったのを覚えている。政治ドラマを見て権力の怖さを知り,大学のピラミッド構造にも嫌気を覚えた。モノづくりの一途な面や,メディア系の正義感に憧れたのは,テレビっ子だったことが影響しているかもしれない。

 テレビっ子という話題でちょっと脱線すると,筆者は「鉄人28号」や「鉄腕アトム」などのロボットモノのアニメの影響を受けている。また高校生の頃は「宇宙大作戦」というアメリカのドラマにハマった。「白バイ野郎ジョン&パンチ」というドラマでオートバイにも影響をを受けた。それぞれ,その後の人生につながっているように思う。

 さて,2023年のゴールデンウィークは,CSチャンネルでこうしたドラマモノの一気見番組が放映されている。5/3に視てしまったのが,「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」の一挙放送である。ちなみに,新型コロナウイルス禍での在宅勤務の間に,このシリーズの大元になっている「チーム・バチスタの栄光」を視たのが引き金となっている。

 シーズン1が,バチスタという心臓手術をテーマとして,外科医の神の手か医療ミスか,といった切り口で迫ったのに対し,シーズン2では救急救命センターでの医療ミスか患者関係者による殺人か,というテーマに切り替わった。

 「ドクターX」が,主人公のフリーの外科医・大門未知子(米倉涼子)が大学病院の経営側とサシでやり合うのに対し,「チーム・バチスタ」では,心療内科医の田口公平(伊藤淳史)が厚労省の白鳥圭輔(仲村トオル)とともに外科医療現場の背景にある派閥や権力などに立ち向かうストーリーと読んだ。小柄な伊藤淳史さんが,実にいい持ち味を出されていると思った。「TOKYO MER~走る緊急救命室」も結構ハマったが,主人公の喜多見幸太を演じる大柄の鈴木亮平さんの存在感とは対照的である。

 基本的に筆者は,“勧善懲悪”モノが好きなのである。時代劇モノでも,「遠山の金さん」とか「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」とかは楽しんで視ていた。一方で,大河ドラマは苦手である。

 医療現場にしろ,事件現場にしろ,人の生死に関わる緊張感は,ドラマの中だけにしたい。家族が事件に巻き込まれることも,ケガや病気になることも,できれば避けたい。しかし,医療や政治,官庁,警察,裁判所,そして保育園から大学までの教育機関など,本来は「善」でなければならないところに「悪」が潜んでいることを,こうしたドラマを通じて知ることができたのだが,「まさか,実際はそれほどエゲツないことはないのでは」と思っていた。実際に自分がかかっている医療機関や行政機関は,誠実に患者と向き合ってくれると信じている。

 しかし,連日のニュースで犯罪の容疑者として報道されるのが,警察官,自衛官,消防士,教員,保育士,弁護士,裁判官,税務署職員,看護師,そして医師や医師のタマゴといった専門職である。一般市民がいざというときに頼りにしたい人たちばかりである。

 電話による詐欺事件が頻発しているが,こうした専門職を名乗ることで一般市民を油断させる心理が働くことが利用されている。

 一方で,郵便局職員や宅配業者を装って強盗に及ぶケースも多発している。宅配に至っては,アルバイトまで使っており,本当に信頼していいのかどうか,いつもドキドキしながらドアを開けている。いつ襲われるかもしれないと思いつつ,配送のクルマや制服の有無,名札の有無などをドアホンでいちおう確認しているが,いずれ厄介なのがやってこないとも限らない。

 さらに最近は,留守宅を狙うのではなく,在宅時にガラスを割るなどの強引な手段で押し入り,強盗から殺人に至るケースも増えている。非常にすさんだ社会になりつつある。

 サスペンスな内容は,ドラマの中で俳優が演じていただけるだけでいい。現実になってほしくない。また,ドラマの対象となっている専門職に携わる方は,気持ちを一層引き締めて仕事をしてほしい。

 しかし,これだけ経済が沈滞していると,「小遣い稼ぎ」「スマホの悪用」などの気の緩みから犯罪行動に走ってしまう若者が増えてしまうのかもしれない。それ以上に,○○長」といった組織の上部の人間による犯罪が起きてしまうようでは,日本も本当にお先真っ暗と思えるのである。