jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

安倍元首相暗殺の弾が1個不明--ありえない。科捜研に本気を出してもらいたい

「安倍元首相が銃撃され死亡した・・・」というマスコミの表現に,筆者は違和感を覚えている。筆者としては「安倍元首相が暗殺された・・・」でいいと思うのである。

 Wikipediaによると,暗殺の定義として「おもに政治的・思想的動機に基づき要人を非合法に殺害すること」とされている。政治の現政権の長でもなく,殺害の理由が宗教上の被害者意識による間違いによるものであったとしても,「要人」であり「非合法」であることに変わりはない。なんだかマスコミの対応が,「現政権のトップを狙ったわけではないから暗殺とは言わない」と言っているかのように聞こえる。

 また「死亡した」という表現は,少なくとも日本を牽引してきた安倍氏に対する礼節を欠くと思うのである。「銃撃によって亡くなられた」ぐらいの表現はすべきだと思うのである。

 その暗殺事件から3週間が経ったこの期に及んで「安倍氏が撃たれた銃弾のうち1個が見つかっていない」という報道があった。そして,撃たれた日は現場の実況見分だけで,現場検証は事件から5日も経った日に交通を遮断して行われたという。呆れてモノが言えない。

 凶器が自作の銃で,銃口が2個あり,それぞれから一度に6発の弾丸が同時に発射される構造だ,と繰り返し報道され,自宅や別に借りた部屋から材料や工具を押収したというが,肝心の発射された弾丸の1個,しかも安倍氏に当たった2個の弾丸のうちの1個だという。お話にならない。

 筆者が好きなテレビドラマである「科捜研の女」が2022年10月から新しいストーリーで始まるという。これまでの「科学は嘘をつかない」路線が好きだったので,今回のは「進化ではなく革新」と言っているのが,期待外れになる可能性はあるとも思っている。科学捜査が,あらゆる証拠を見逃さず,悪天候の中でも川の中でも土の中でも証拠を徹底的に集める姿は感動するものがある。毎回,靴についた土から植物の花粉が出てくるという設定はややワンパターンだが,それが犯行現場や犯人の足取りをつかむ手がかりになっていくところが,ストーリーとして面白い。その証拠調査も,研究室での科学分析も,いずれも1分ぐらいで語られるのだが,実際は何日も同じ作業を繰り返し,わずかな異変を見つけるという地道な作業であることは,ドラマでは語られないが,実際は大変地味で気の滅入る作業である。

 今回の発砲事件では,犯人(現時点ではまだ被疑者)もはっきりしており,凶器もはっきりしており,犯行の時間経過もはっきりしている。証拠としての凶器はすぐに確保されているし,撃った弾の数が合計で12個で,そのうち数個が100mも先の立体駐車場で見つかっていることも報道されている。それなのに,おそらく安倍氏の命を奪ったであろう1個の弾丸が見つかっていないことが今になって公表されたとはどういうことだろう。

 おそらく,初日の実況見分の段階で,犯行現場周囲から発見された弾丸は11個だったのだろうと思われる。選挙カーや立体駐車場なども含め,比較的わかりやすい痕があったのだと思われる。そしてその段階では,2発が安倍氏に当たったとされており,この1個が身体に残されていると判断して,捜索を打ち切っていたのではないだろうか。銃撃後,安倍氏は蘇生のための処置が続けられていたため,体内に弾が残っているかどうかの判定がつかなかったと思わえる。

 逆に,安倍氏が亡くなり,おそらく司法解剖された際に弾丸が見つからず,そのため慌てて事件から5日後にもなって現場検証で徹底的な残留物調査が行われたのではないか。いずれにしても,「安倍氏が撃たれた弾のうち1個が見つからない」という情報は,かなり早い段階,おそらく亡くなった翌日には関係者の間ではわかっていたと思われる。そして,救命室や搬送経路のヘリコプターや救急車,搬送に使ったストレッチャーやエレベーター,担当した医療関係者や救急関係者などが徹底的にまず調べられ,それでも見つからなかったので現場検証に至った,というのが真実だろう。

 さて,ここからは推論である。残りの1個の弾丸は今どこにあるのだろうか。

 安倍元首相銃撃 首に2つの銃創「手術中に弾丸は体内では見つかっていない」病院が会見(1/2)〈週刊朝日〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com) 2022/7/8の報道では,弾丸が体内で見つからなかったとしている。銃槍が首(前頸部)に2つあり,「左肩の前部に射出口のようなもの」があり,「手術中に体内では見つかっていない」と会見している。しかし,「心臓と、胸部の大血管損傷による失血死」としていることからすると,安倍氏は立った状態で正面から撃たれたのではなく,うずくまろうとして前かがみに少し横向きになったところを,やや下から撃ち上げる形で発射され,1発目の弾丸がおそらく右前頸から入射して左肩前部から射出し,もう1発が同じく右前頸から入射して心臓に達した傷を作ったと思われる。

 そうすると,この致命傷を作った弾丸はおそらく射出せずに体内に残っていたのではないかと推測される。救命中の手術時には確認できなかったということなのではないか。この点の発表もないのは不思議である。

 不明なのは左肩前部から射出した1発ということになる。この場合,どこに飛んで行ったかを推測するのはかなり難しいと思われるが,体を通り抜ける際に弾の威力はかなり落ちることから,それほど遠くに行っていないものと思われる。直後の現場封鎖と現場検証が行われなかったのは,実に不思議である。

 おそらく,誰かが現場で見つけ,密かに持ち帰っているのではないかというのが筆者の推測である。事件関係者でもない全くの第3者で,数年先に何らかの形で世の中に出てくることになると思う。カネの要求につながってくるのだろう。

 いずれにしても,警備体制も不備なら捜索も不備があり,現場も科捜研も信じられなくなってくる。「科学は嘘をつかない」科捜研は,まず安倍氏の暗殺の瞬間の動きを正確に再現し,弾丸の動きを徹底的にシミュレートして,万が一の発見の可能性を弾き出してほしいと思うのである。