jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

モノづくりの知識が悪用されたか--危険な銃

2022/7/8の安部晋三暗殺の犯人が、大学の工学部に学んだらしいことがネット情報で拡散しつつある。こういう情報拡散自体も異常であることを指摘し、認識した上で、話を進めたい。

   学部情報が不明なのだが、犯人が機械、材料、化学などの知識があったことが想像される。その後、海上自衛隊の訓練の中で銃の知識と経験があり、この2つが不幸なことに結びついてしまったのかもしれない。

   銃は、相手を殺傷する能力があるように設計されるが、撃つ側の安全性もある程度は考慮されている。正しく設計されても、例えば銃口に土が入ったりすると暴発し、撃ち手がケガをする危険がある。この辺りの取り扱いや危険性については、自衛隊時代にかなり叩き込まれたと考えられる。

   その上で手づくりの銃で、しかも特殊な多弾の弾丸を自作したというのは、技術者としては特殊な能力を持っていたのかもしれない。普通の部品を組み合わせて作れるほど銃は簡単ではない。むしろ、断念したという爆弾の方が、起爆装置と爆薬を別々に作って小規模で実験することもでき、犯人にとっては安全(被害者にとっては無差別で卑劣)な方法である。それを銃の自作で進めたのは、すでに正気ではない。

   3Dプリンターが登場し、当初は何に使うのか不明だったが、これでプラスチック製のピストルを作ったバカ者がいてビックリした。恐らく、設計情報は世界中に拡散し、今も密かに製造されていると思われる。何しろ、X線で見つからないので、飛行機の機内にも持ち込む可能性がある。

   もちろん、材料や作り方によるバラツキやムラによって、暴発する危険性は遥かに高い。自爆行為に近いとも言えるが世の中には追い詰められた人もたくさんおり、どこで使われてもおかしくない。

   今回の犯行で使われた自作銃が、ひょっとしたら手軽に入手できるものだった可能性もある。一から材料を集めて作り始めたとしたら、技術知識の乱用だし、同じ技術を学んだ者として、同情の余地はない。その知識と腕を別の方面に活かせなかったのかとつくづく思うのである。