jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

革靴は人生を狂わすという仮説--これは身体に対する拷問だ

社会人になってから30年,毎日革靴で出勤していた。20歳台から50歳台まで,人生の半分を革靴で過ごしてきた。

 オフィスではサンダル履きだった。革靴の中が暑くなって蒸れるのが嫌だったからである。社員の半分は理系出身者で,大学の研究室ではたいていサンダル履きだったこともあり,社内でもサンダル履きが許されていた。一方,残り半分は文系出身者で,こちらは頑なに革靴を一日中履いていた。

 2005年に始まったクールビズで,ノーネクタイとカジュアルウエアとなったが,靴はさすがに革靴だったし,ネクタイは常に準備していた。

 50を過ぎて早期退職し,転職してからは,フェイクな革靴を履いたり,ウレタン底の革靴を履いたりしていた。そのうち,黒ベースのスニーカーを履くようになった。

 スニーカーの方が通気性が良く,蒸れや熱のこもりが少なくて楽である。足が靴の中である程度自由に動くし,足先も曲がる。水濡れには弱いが,濡れた床面では革靴より滑りにくい。

 確かに,革靴の方が耐久性がある。そのままでも長く使えるし,ちゃんとした靴なら靴底を張り替えることでさらに長持ちさせられる。それでも,表革のメンテナンスはそれなりに必要だし,傷がついた場合もその修復には費用がかかる。

 スニーカーは使い捨てにはなるし,その都度同じ履き心地の靴に出会うという保証もない。

 スニーカーの一番のいいところは,ヒモで足の固定具合を自由に変えられる点である。通常は,足の形に沿ってヒモを締めればいいし,しっかり固定することもできるが,筆者のオススメは足先を少し緩めにして足先が自由に曲がるようにすることである。

 革靴で足先を曲げて背伸びすることはできない。つま先立ちになってしまうだけである。スニーカーだと足先が曲がるので,背伸びができる。革靴を履いていたころには気が付かなかったが,足先で背伸びをして体重を支えることや,足先に力を入れて歩いたり階段を上り下りすることで,脚や膝の関節や筋肉の使い方まで変わった。

 高齢期に入って,重要なのはロコモーティブである。脚の筋肉は確実に衰えてくるし,関節の不調も増えてくるだろう。食事やトレーニングも必要だが,普段の生活の中での歩き方にも注意するポイントがありそうである。人生の半分,その大事なことを見失ってきたような気がする。しっかりと脚と足,そして足の裏の感触を意識しながら歩くことが,大事かなと悟った次第である。

 一般的な革靴には反対だし,職人技で1足何十万円の値段で売っている人もいるが,本当にその価値があるのだろうか。特に,女性の靴が足を拘束する具合が中途半端ではないことに,懸念を示したい。外形ばかり気にしていても,結局外形だけで判断されてしまう世の中である。慣習にとらわれない生き方をしたいものである。