jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

革靴で刑事は走れるのか--スニーカー刑事(デカ)を標準にすると検挙率が上がるのでは

革靴は人生を狂わすという仮説--これは身体に対する拷問だ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/9/23のブログである。このときにも書いたが,通勤にスニーカーを履くようになって10年になる。ようやく,自分の足と脚が自分のものになってきたここ数ヶ月,足の裏もどんどん分化が進んでいる。つま先も足首から独立してきたし,さらに拇指球だけで身体を支えることもできるようになった。言葉で伝えるのはなかなか難しいが,膝の少し下部や上部といった辺りの小さい筋肉も,しっかり働くようになっている。ただの棒のようだった脚が,非常に柔軟に身体を支えるようになったのを感じているのである。

 革靴とスニーカーといえば,テレビの刑事ドラマである。警察オフィスにいる人はもちろんだが,現場や聞き込み,そして容疑者確保に走り回る現場の刑事も派出所のおまわりさんも,みんな革靴である。

 筆者の場合,革靴で走ったことなどあまり記憶にない。実に走りにくい。走りやすいのなら,陸上競技はみんな革靴で臨めばいいことになる。なぜ刑事は革靴なのだろうか。

 ドラマでも,中にはスニーカーを履いた刑事もいる。「おかしな刑事」で伊東四朗が演じる鴨志田新一刑事は,スーツに白系のスニーカーである。犯人を走って追いかけるのは若手が演じるが,彼もまたスニーカーで走る。理にかなっている。

 もっと遡れば,「太陽にほえろ!」のスニーカー刑事役の山下真司のあだ名がスニーカー刑事(デカ)である。ここではスニーカーにジーンズという刑事らしくない格好にはなっているが,同シリーズの派手なアクションにはもってこいだったと思う。

 現場の刑事は,真夏でもスーツを着,ネクタイを締め,革靴で聞き込みをするのだろうか。警察の威厳を保つため,あるいは一般人に対する自意識が,きちんとした格好をする,というステレオタイプに反映するのだろうか。

 しかし,いざ事件が起きたとき,素早く行動するのに革靴では十分な力を発揮できないのではないか。

 ドラマの知識が正しいかどうかわからないが,一般に捜査は単独行動ではなく,2人がバディとなって同一行動をする。単独行動によるリスク回避の意味もあるだろう。ならば,「相棒」ではないが,1人はスーツ姿だがもう1人は活動しやすい格好でいいのではないだろうか。犯人や容疑者は,行動しやすいスニーカーを履いているだろうからである。

 ところで,筆者も社会人になってからは30年間ずっと革靴を履いてきた。雑誌社の記者という仕事で,昼間は取材や記者会見に出かけ,夕方にオフィスに戻り,夜半まで原稿を書いてから終電で帰宅する,という生活を続けていた。仕事の基本は,相手に会って話を聞くことなので,とにかく歩いた。

 このとき,先輩から勧められたのが,日本橋丸善で販売していた革靴である。俗称は“記者靴”。上の革は厚手で実に丈夫だったし,靴底は登山靴のような深い溝があるゴム底だった。記憶からはもう薄れてしまっているが,10年は履き続けたのではなかったかと思う。革靴らしい硬さはあるものの,足元が滑ったりする不安は少なかった。もちろん,多少の雨もまったく気にならなかった。社会人1年生には高い買い物だったが,その価値はあったと思う。ただ,革靴としての硬さの欠点はあった。

 刑事も,せめてこの“記者靴”を履くといいと思うし,現場ではスニーカーの方が検挙率が上がるのではないか,と思えるほどである。もっともドラマほど現行犯を走って追いかけるという場面は少ないのかもしれない。

 とにかく,この歳になって,スニーカーで通勤できる自由さを手に入れられたことは,まことにありがたい。普通に歩いていても,若いころよりもしっかり歩けているように感じているからである。

 まあ,もう少しフォーマルなスニーカーがあってもいいかもしれないが。