jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

宮古島の自衛隊ヘリがようやく引き揚げ--これほどバラバラになっているとは想像できなかった

2023/4/6に沖縄・宮古島で離陸後10分で消息を断った陸上自衛隊のヘリコプターが,5/2に機体の引き揚げに成功した。事故発生に関する筆者のコメントは以下。自衛隊の能力は大丈夫なのか--宮古島ヘリ遭難の調査に時間が掛かり過ぎないか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/4/13。1週間経過した時点で発見できていなかった。実際に発見できたのはその日の夜のことだった。

 翌4/14に飽和潜水をすぐに実行できたのはさすがと思っていたのに,海底でハッチが開かないという凡ミスで作業失敗。4/15は悪天候で作業ができなかった。4/16の飽和潜水により機体の目視確認と犠牲者の救助が行われた。4/17にかけて搭乗者10人のうち5人を確保し引き揚げられた。

 機体の引き揚げは民間のサルベージ船の作業となり,5/2に網に載せて「機体の主要部分」が引き揚げられた。この作業の際に,もう1人の搭乗者も確保された。

 筆者の予想は,もう少し原型をとどめていることだったが,予想に反してバラバラになっており,ほぼ瓦礫状態に見えた。北海道・知床半島での観光船引き揚げで原型をほぼとどめていたのとは対照的だった。「網を沈めてその上に載せる」という作業手順の意味したことが理解できた。要するに,海底でバラバラ状態だったのだろう。

 それでも,機体の搭乗スペースはほぼ残っており,半数以上の搭乗者を確保できたことは運が良かったと言っていいのではないだろうか。現時点で残る4人の方も見つかることをお祈りしている。

 墜落の原因として,攻撃を受けた,クジラを見るために高度を下げ過ぎた,爆発物があった,などの観測もあるようだが,筆者の私見は「急なエンジントラブル」である。陸地を目指して速度を上げようとしたところで墜落し,海面に激突して崩壊したのではと想像する。エンジントラブルの原因は,鳥を吸い込んだことによるバード・アタックの可能性が高いが,もう1つの可能性として燃料切れも考えられるのではないだろうか。付近のオイル漏れがほとんどなかったことが気になるのである。フライトレコーダーも運良く回収できたとのことなのだが,どこまで公開されるのかは疑問である。

 装備系,人員系,そして予算を見ても,日本の守りへの不安は残念ながら増すばかりである。原因究明とさらなる捜索も必要だが,早期に体制を建て直し,隊員の意識を鼓舞して前向きに任務に当たっていただきたいと思っている。