jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「女性の社会進出」の意味が取り違えられている--単なる安い労働力と捉えられている可能性

上場企業での女性役員比率を30%にする,という目標が発表された。こういう数値目標は,得てして形骸化するので注意が必要である。

 筆者の個人の感想としては,「女性の社会進出」の意味が取り違えられていると感じるのである。どうも,「女性の労働力を活かす」と言っても「安い労働力として使う」意味にしか取ることができないのである。

 女性の感性や考え方が男性と異なるため,世の中の半分を占める女性のニーズに応えるために,女性が政治・経済・社会・教育などの分野で活躍することは望ましい。

 年少の子どもたちの教育現場では,逆に女性の比率は高い。しかし,一般企業においては主力社員から管理職,役員と登龍していく女性は少ない。それは20代~30代で結婚し,出産し,子育てをする,ことが1つの仕事だという認識があるからではないか。妊娠している間,そして出産後は,体力的にもフルタイムでの仕事は難しい。そこを保護することは必要である。

 たとえば,妊娠中は週の出勤を半分にし,残りはテレワークとすることをシステム的に導入することで,女性の保護にもつながる。出産後1年は有給休暇とするか,やはりテレワークで仕事に参加するかのシステムを構築する。同様に男性も,子育て中に中途半端な育児休暇ではなく,テレワークの仕組みを活用すべきではないだろうか。

 女性の管理職,役員にしても,物理的にオフィスに縛り付けることで数合わせするのではなく,テレワークをもっと活用して,在宅でも積極的に企画に参画したり,会議に出席して意見を言うことで,女性の意見,考え,感性を受け取ることができると思うのである。

 しかしいまだに,「オフィスに出社しなければ社員にあらず」的なステレオタイプの考えを持つ男性経営者が多すぎる。政治関係も同様である。ここから意識改革しなければならないと思う。

 AppleがMRゴーグル「Vision Pro」を発表した。日本円で40万円は高すぎると思うが,コンセプトとしてはテレワークに非常に適した仕様を提案できたと思う。筆者的には5万円ぐらいの「Vision Standard」版でないと手が出ないが,管理職,役員クラスで在宅ワークする人たちにこのMRゴーグルの使用を促進することで,在宅でも十分な経営参画ができるようになるのではないかと考える。非常にインパクトがある発表だと思うが,日本の経営陣,政治家はおそらく反応しないだろう。

 今の状態の「社会進出=出社」では,女性の社会進出は少子化対策にとっては逆効果だし,ただでさえ安定しない男性の就業状況をますます悪化させ,収入が安定しないことで家庭を持つことができず,家族を作ることができず,これも少子化を加速させてしまう。

 水素関連に15年間で15兆円の投資をする,という宣言がされたが,あまりにも長期にわたる上,額が少なすぎる。同じ投資を5年で集中的に行うことで,雇用を一気に増やし,ムーブメントを起こし,次の10年につなぐ,というビジョンを描かなければ,結局海外に先を越されてしまうように思う。