jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ブラックフライデイのニセモノ--これは“フライング”では

アメリカ発祥の大売り出しセール「ブラックフライデイ(Black Friday)」。11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日の金曜日ということで,2023年は今週11月24日から始まる,はずだと思っていた。

 Amazonのブラックフライデイは11/24から始まるので,これが正しいブラックフライデイなのだと思う。

 ところが,ここのところ「Black Fridayセール」という名のセールを,11/17(金)から始めているところがいくつも出ている。

 これは,おかしいのではないか。というより,本来のブラックフライデイでセールをするところより先に,同様のものを売りさばこうという,いわば“フライング”ではないかと思えたのである。フライングとは,競技のスタートでスタートの合図より先に動作を起こして先に飛び出す行為である。通常はやり直し,複数回繰り返せば失格である。

 巨人Amazonと互角に戦えば勝ち目はないとばかり,あと出しジャンケンをしたようにも見える。別にルールもないのだが,やはりブラックフライデイという定義に正しく準じた形で行うのが礼儀ではないだろうか。あるいは「プレブラックフライデイ」と名前を変えた方が正々堂々としているのではないか。

 筆者のいる出版業界は,基本的に書店販売日が基準になっている。この販売日より先に出版宣伝することは基本的にできない。これは業界のルールである。でないと,書店で売れる前に出版社に直接注文が来てしまい,書店での売上が減ってしまう。これを守るのが取次の仕事でもある。

 書籍の価格は,再販制度に守られて基本的に定価販売を守らなければならない。セール販売できるのは,中古品やイベント会場での特価扱い以外はできない。

 しかしこの価格制度に風穴を開けたのはAmazonである。Amazonで販売しようとすると,基本的には定価販売だが,適当な時期に割引セールが始まる。その価格設定に出版社は従わざるを得ないのが状況である。大量に売ってくれるAmazon通販なので,ありがたい半面,納得が行かない部分もないわけではない。

 ブラックフライデイについての疑問でAmazonを全面的に擁護するわけではない立場なのだが,個人的には「正しい定義を守ろう」と言いたいのである。