ボディビルで鍛えた肉体美を武器にしたタレントや俳優がCMに続々と採用されている。これもまたが広告代理店の暴走ではないかと筆者は考える。
人間が基本的に服を着るのは、周囲に対する礼儀である。服なしで許されるのは、出入りの限られた集団の中だけである。未開のジャングルの民族や小島の村などで、現在ではほとんどなくなっている。
もう1つはスポーツである。スポーツは鍛えた身体で勝負する。それが筋肉だったり、柔軟性だったりする。腕や脚、そして胸筋や背筋を示すことで、相手に対して優位に立てる。観客もその強さや柔軟性に期待している。問題はない。それでも、胸筋まで出すのは、水泳やプロレス、ボクシング、相撲に限られる。
CMを見るためにテレビや動画サイトを選ぶ人はいない。見たい番組を選んでいるだけである。そこに、番組とは直接関係のないCMが挟まれ、見ざるを得ない状況にある。そこには基本的に服を着て、周囲に礼儀が求められるはずである。
タレントの裸芸に対する糾弾は以前から何度もしている。さらに今回は、ボディビルデで鍛えた身体をこれ見よがしに披露するCMに対する苦言である。
明らかに、自分の体格的、腕力的な優位を示しており、これは共演者にとっても視聴者にとっても、パワハラに当たると判断できる。存在そのものでマウントを取っているからである。
さらに、女性にたいしてはセクハラでもある。ボディビルダーの出演するバーなら、そこに行く女性はボディビルダーに対して興味や敬意、あるいはセックスアピールを求めていると言える。しかし、テレビを通じて一般家庭に放送することで、多くの女性にとっては圧力になり、セクハラになると考える。
筆者の意見では、ボディビルダー採用によって商品イメージは悪くなっている。これは、お笑いタレントの起用の場合と同様か、さらにハラスメントという意味では、拝島すべきと考えるのである。