政治のことは素人が話題にすべきではないと筆者は思っており,滅多のことではコメントはしないのだが,2024年7月7日開票予定の東京都知事選挙に向けてここ数年の“政治団体”の行動が筆者には異常に見えるので,一言コメントすることにする。
まず「政党」について。政党とは「共通の政治的主義・主張を持つ者によって組織され、一定の政治的利益や政策の実現のために活動し、政権獲得を目指す集団」で,日本国憲法によって「結社の自由」が保障されており,「政党がその目標などを理由に、禁止・解散などをさせることはできない」という。
政党も政治団体の1つだという。総務省のHPには総務省|なるほど!政治資金 政治団体とは (soumu.go.jp)(https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/naruhodo04_2.html
)と書かれている。
政治的主義・主張だと定義すれば,どんなグループでも“政治団体”になれるようである。「組織等された旨、当該政治団体の目的、名称、主たる事務所の所在地及び主としてその活動を行う区域」などを「都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出」する必要があるという。届け出するだけで,「審査」「監査」はないのかもしれない。
個々の名称を出すと攻撃を受ける可能性があるが,「NHK党」と「つばさの会」の行動・言動は,まるでSNSでの誹謗中傷レベルの発言をリアルな街中でしているように見える。逮捕者が出た「つばさの会」の行動は,言論の自由を主張しているが,相手の言論の自由を強行な手段で奪っているという意味で,問題があると普通の人なら思うのではないかと考えている。一方,「NHK党」は今回の都知事選に24人もの候補を立てたという。今日時点で立候補を表明している47人の半分もの候補を送り込んだことになる。選挙運動が1候補1拠点だとすると,同党の主張が全選挙区の半分の箇所で展開されることになる。主要政党が推薦候補を擁立できておらず,選挙戦での応援もないとすると,個々の候補者の主張が取り上げられることになる。
最終的に都知事なので1人が選ばれる訳だが,票が分散する可能性もある。選挙期間中の行動も気になる。公職選挙法で定めるNHKの選挙放送でも,半分の時間がNHK党関連候補が占めることになる。
国会における各党の質問時間が,議員の割合によって割り振られていることが問題になっているが,公平に同じ時間にすればいいというものでもない。
本当に,国民,都民の心を動かす政策で選挙を戦ってほしい。しかし,もともと都知事選,大阪府知事選は,タレント候補や作家,メディア出身など,人気投票的なイメージが強い。国政で実績を積んだ議員に,その経験を地方自治に活かすという政治に携わってほしい。国会議員,大臣が「すごろくの上がり」ではなく,さらにその先に地方行政があると思いたい。