jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「今度,風邪ひいたら死ぬかもよ」と考えれば行動は変わるのでは

これまで,一度も風邪をひいたことのない人はいないのではないか。また,これまで,一度もインフルエンザに罹(かか)らなかった人はいないのではないか。

 いわゆる「風邪」もインフルエンザも,原因はウイルスである。感染経路も,飛沫感染接触感染である。今回の新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)も,基本的な原因と感染経路は同じである。違いは,「潜伏期間が長く,初期症状が出にくく,その間に肺炎が肺の奥深くまで広がり,症状が確認できてから短時間に重篤化する」というのが特徴と言える。

 症状の出ていない人を対象とした抗体検査が行われた。2020年4月24日の報道によると,「23日、新型コロナウイルスの抗体検査を州内で3000人に実施した結果、13.9%が陽性だった」(朝日新聞デジタル)という。つまり7〜8人に1人はすでに一度感染してその抗体が体内にできているということになる。

 この抗体によって,「もう感染しない」のならいいのだが,そこはまだはっきりしないようだ。逆に「残りの86.1%の人は抗体がなく,これからも感染する可能性がある」ということである。

 現時点で,この新型コロナウイルス感染症に対する特効薬はできていない。普通の風邪をこじらせて肺炎になる場合は,主に細菌による二次感染での肺炎なので,抗生物質が効く(もっとも,薬剤耐性菌による肺炎の場合は,抗生物質が効かない)。

 これまでのインフルエンザの場合は,特効薬ができている。「リレンザ」(2000年発売),「タミフル」(2001年発売),「ラピアクタ」(2010年発売),「イナビル」(2010年発売),「ゾフルーザ」(2018年発売)など,次々の開発されているが,わずかここ20年のことである。

 しかし,次々と開発されている背景には,さまざまな型のインフルエンザが登場し,変異することで特効薬が効かなくなったりしていることである。人類が闘いに勝ったウイルスは唯一,天然痘だけだという。その闘いは200年の時間が必要だった。

 新型コロナウイルス感染症の場合も,回復するのは感染者自身の体内での自己免疫力に頼っている。重篤化後も人工呼吸,人工肺で生命をつなぐ間に回復するのを待つしかない。

 とすると,まず「罹らない」ことが重要であり,罹っても自分の免疫力で発症を押さえ込むことが必要になる。インフルエンザの場合はすでにワクチンが開発されていて特定のインフルエンザに対する免疫力を事前に高めておけるため,罹ったとしても発症しないか,軽症で抑えることができる。しかし,新型コロナウイルスに対してはまだワクチンが開発されておらず,自己免疫を事前に高めておけない。感染したら「発症しないか軽症で抑える」ことができるのは7〜8人に1人。いわば“逆ロシアン・ルーレット”である。抗体がなくて新型コロナウイルスに感染した場合は,「ほぼ確実に発症する」ということになる。今の段階では,やはり「罹らない」ことが重要である。

 インフルエンザの日本での感染数は,年間約1,000万人。ピーク時には1週間で20万人が感染している。死亡者は年間3,000人である。特効薬があり,ワクチンがあり,毎年の予防キャンペーンをおこなっている日本ですら,この数字である。これが米国では,感染者数が2,600万人以上、死者は約1万4,000人。さらに6年前は死者が6万1,000人だったという。

 新型コロナウイルスは急速に世界に蔓延し,治療法も手探りで,入院期間が長いために医療崩壊を招きつつある。早急なワクチン開発が求められるとともに,回復した患者の血しょうを投与する血しょう療法の効果が期待されている。この方法は「古典的」と呼ばれるように130年も前に実施されて効果をあげていたという。いわば,ヒトの身体でできた抗体を利用するものだが,回復した患者からの献血がベースになるので,薬のように量を確保できない。特効薬,ワクチンの開発も急がなければならない。

 各国で進む遺伝子分析により,21世紀に入って急速に進歩した「完全ヒト抗体医薬」の開発が期待される。

 しかし,とにかく今は,「薬もない」「ベッドもない」「罹ったら死ぬかもしれない」「罹ったのが分からないから周りの人に感染させて殺してしまうかもしれない」という「ないないづくし」である。これまでの「うがい手洗い」だけの対策では,感染も感染拡散も防げない。

 マスク着用は「咳・くしゃみエチケット」の一つではあるが,普通に会話する(しゃべる)ときにも飛散するツバを防ぐ。人とまったく話をしない人はいないだろうから,結局,他人と交わる場ではマスクを着用すべきであることを認識していただきたい。逆に,テレビ会議や自家用車の中,自宅などでマスクを着用することは不要な感もあるが,自身が感染している可能性があると思っている場合は,マスク着用すべきなのかもしれない。今,だれも感染していない環境がたとえば自宅にある場合,そこから外に出た場合は,自宅内でもマスクを2週間は着用すべきなのかもしれない。でないと,家では普通に会話するので,家族のだれかに感染させてしまう可能性がある。

 同じように手洗い習慣も必要だが,家の外でどこかの感染した場所を触る可能性は無限にある。帰宅の際,最初に触れるのがドアノブの外側である。また錠を開けるときにカギを持つので,そのカギにもウイルスが付いて家の中に持ち込まれる可能性もある。手洗いするのは家に入ってからなので,その前の段階で家のどこかにウイルスが持ち込まれるのを防ぐには,家に入る前にもできれば手を洗ったり手指のアルコール消毒をすることが必要である。家の前にアルコール消毒液ポンプを置くか,小瓶を持ち歩いてこまめにアルコール消毒する習慣が必要かもしれない。

 ここまで考えると,やはり基本的に外出をしないことが必要で,ワクチンが開発されると見られる2020年9月ないし12月までの1年間がガマンの期間となりそうだ。そして表題に書いたように,「今度,風邪ひいたら死ぬかもよ」と考えれば,マスク,手洗い,手指消毒と基本的な外出自粛が国民全体の意識として持ってもらわないといけないようだ。

 年間の平均収入を500万円として,1,000万世帯分で500億円を,国が補償すべきだろう。国民の収入は税務署はすべて把握している。とりあえずその額を補償し,国民のすべての活動を止めても生きられるような抜本的な政策が必要ではないだろうか。いわゆる高額納税者の方も,納税免除で対応すれば不公平感はないと思われる。