豪雨災害が続く中,雨や風の中でも使えるドローンとその開発,導入について提案した。
さらに調べてみたところ,「産業用ドローン」というジャンルの中に,雨や風の中でも飛べるドローンが紹介されていた。価格が80万円ほどするらしい。
「消防用,災害用に採用相次ぐ」と書かれていたのだが,どうもそれは海外の話のようだ。国土が狭い日本では,まだ本気の導入がないのかもしれない。
デモ映像では,雨のシーンはなかったが,海岸近くの崖の上で風速5~6mの中を全く安定して飛ぶ様子が見られた。連続航続時間は38分だという。直線でのドローンの最高速度は時速50kmほど出るので,10kmの間を往復するには十分かもしれないが,緊急時にはちょっと短い印象である。ヘリコプターだと航続時間3時間,航続距離700km。給油すればすぐに連続して使える。ドローンでは,常に予備のバッテリーを3セットぐらい用意して,交換,充電を繰り返す必要がある。やはりエンジンとのハイブリッド型が望ましいと感じる。
山岳救助用にドローンの実証実験は進んでいるようである。また溺れている人に浮き輪を届ける実験も行われているが,まだまだ場当たり的な印象がある。
新型コロナウイルス禍では,人工呼吸器やECMO(人工肺)が足りず,初期段階で多くの重症患者が亡くなるケースが多かった。東北震災後も避難所のダンボールベッドの導入は進んでいない。2019年の台風19号に伴う長期停電では,発電車の配備に不備があった。災害に対しては,ハード面でもソフト面でもまだまだ十分な対策が取られていないのが実情のようだ。
やはり災害対応では,自衛隊へのドローン配備が,2018年の15機から2020年に200機となるというニュースがあったが,実際はどうなのだろう。国防の観点から,世界の9割を占めるという中国製のドローンは導入できないという。予算がないと言われる地方自治体に配備するためには,国の戦略的な投資構想がなければならないが,ほとんど思いつきで数百億円が使われたアベノマスクのことを考えると,とても「戦略的・計画的」に国のお金が使われる状況にはないような気がする。