トンガの火山島の大爆発が起きたのが2022/1/15。4日が経過したが,なかなか救援の手が伸びない。最も近いニュージーランドの首都ウェリントンからの直線距離で2427km。高速なコンテナ船の時速44kmで計算しても2日と7時間。ニュージーランドの軍艦がすでに18日に出発し,21日に到着予定とのことである。
東京からだと,直線距離で7936km。同じ船舶だと7.5日かかる。自衛隊のプロペラ型貨物機C-130Hの速度は時速589km,航続距離3800km,最大の貨物機C-2は時速1012km,航続距離は7600km(20トン),ボーイング747をベースとしたKC-767も時速1012km,航続距離は9,260 km(32トン)だという。前者でも13.5時間,後者なら7.8時間で到着できる。
しかし,滑走路が使えない現状では,水陸両用機が選択肢に上がる。US-2はプロペラ機で,時速は560kmである。しかし航続距離は4,700kmなので,途中給油なしでは到達できない。
オーストラリアからも4700km離れている。空中から物資を確実に落とすのはなかなか困難である。安全に基地に帰還もしなければならない。何とか手助けができないものか,忸怩たる思いである。
【追記】2022/1/20 ニュージーランドの輸送機が,最初の空輸で物資を運んだという報道があった トンガに最初の救援機が到着 NZ軍が「非接触」で物資降ろす (msn.com) 2021/1/20。C-130輸送機で,滑走路の火山灰除去がある程度進んだところで着陸したという。滑走路をさらにきれいに清掃することも進められるため,救済がさらに進むことが期待される。
【追記2】2022/1/21 日本の航空自衛隊C-130輸送機2機が,計5トン分のペットボトル(単純計算で2Lのペットボトル2500本,6本入りの箱で417個)を運ぶという。(ちょっと少なくないかという気がするのだが)。上記の仕様によると途中で1回給油しないと現地には行けない。丸1日かかるという感じである。海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」も準備中とのことで,高圧洗浄機、陸上自衛隊のCH47輸送ヘリコプター2機を運ぶという。到着は1週間先か。COVID-19ウイルスを持ち込まないような万全の体制が必要だという。
【追記3】 2021/1/21 ニュージーランド軍の補給艦アオテアロアがトンガに到着したという。これには25万Lの真水を積んでいるほか、船の設備を使って1日に約7万Lの海水を淡水化できるという。自衛隊が輸送機2機で運ぶ飲料水が5トン。つまり5000Lである。初動が遅かったことに加えて,残念ながら量が桁違いに少ない。「トンガ海底火山の爆発」という表現は違うように思える--火山島の通常の噴火と解釈 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/18 では,「海水淡水化設備などを至急送り込むことを考えてほしい」と指摘した。1日2.5トン(2500L)の真水を作れる海水淡水化設備の重量は30kgである。NZの補給艦で作れる1日7万Lの淡水化能力であれば,単純計算で28台の装置で供給できる。重さわずか840kgで済む。水という重たい物資を運ぶ代わりに,半分を淡水化設備にするという判断がほしかった。