jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

男性を頼りにする,という考えを捨てるチャンス

動物の世界を見ると,ヒトのような一夫一婦が基本的という生き物はあまりいない。強いオスが複数のメスを引き連れてハーレムを作る。ハーレムを作れなかったオスは外野に回って,ハーレムにちょっかいを出したり,ハーレムのオスに闘いを挑む,という構図である。仮にオスとメスの数が同じだとすると,多くのオスがあぶれることになる。

 ヒトの世界は,オスとメスの1対1のマッチングが意図的に行われてきた。国家の主導者や金持ちはハーレムを構成するが,それ以外の多くの庶民は,結婚という契約によって1対1のマッチングを得て夫婦となる。それでも,オスは本質的に多くのメスと交流を持ちたがるという性質は,他の動物と同じである。契約社会を築いたからこそ,浮気だの不倫だのという問題が起きるのがヒト社会である。

 男性の中には,ボスザルのようなマッチョで力強い男も多いが,単なるデブも多い。細くても力のある細マッチョもいれば,正直,力不足な男も多い。それでも一般的に,1対1のマッチングが行われる場合,女性からの選択の基準としては「頼りになる男性」というのが圧倒的なのではないだろうか。もちろん「優しそうな男性」という視点もあるだろうが,男は家庭に入ると豹変する可能性があることは,以前にも話題にした。したがって,経済的,安全的に「頼りになる」というのは,ある意味で妥協的な考えかたかもしれない。

 夫婦の理想的な姿として「カッコいい旦那さんとカワいいお嫁さん」といったステレオタイプが評価されることになる。旦那は,その字のごとく支配者となり,夢見たお嫁さんは家政婦になってしまう確率がどれほど高いことか。太古の昔から,男性はこの形にアグラをかいてのさばり,女性は我慢を続けてきたのだと思う。

 街中を歩いていても,ゴッツイ体躯の男性に寄り添うように歩く女性,という組み合わせを随分見かける。確かに,若い男性を中心に身長も体格も大型化し,女性はますます自分磨きに拍車をかけるのが喜びのような風潮になりつつある。女性は笑顔が素敵なのに対して,男性はムッツリしたのが望まれるようである。その中で男性が見せるちょっとした優しさに女性はキュンと感動して,そのまま信じ込んでしまうようだ。

 21世紀に入り,日本経済が破綻した。将来にわたって生活の保証が得られる人生という姿を描くことが難しくなっている。おまけに新型コロナウイルスの影響で,人類の危機かもしれないと様相も呈している。新型コロナウイルスに対しては「自粛から自衛へ」と以前書いたが,政府にも自治体にも保健所や病院ですら,頼れない時代が来ている気がする。とにかく,ワクチンと特効薬の開発に期待したいところである。あとは,批判されようが疎まれようが,人との接触,モノとの接触,移動を可能な限り減らしても生活できるような仕組みを自ら構築することだと思っている。それでも,今の仕事は別の方の経営力に支えられているので,ここが破綻すると自らの経済基盤を失うことになるのだが。

 筆者は男性だが,周囲を見回してみると,新型コロナウイルスに関して楽観的,あるいは無責任なほど無関心なのは男性が多く,逆に女性はヒステリックとも思えるほど悲観的な人がかなり多いように感じる。仕事も,トップダウンでテレワークを推進した大手企業以外は,ほとんどが出勤しており,密な状態での会議,お酒を通じての交流なども普通に行われている。マスク着用以外に積極的な感染拡大防止策を意識していることをほとんど感じない。たまたま,新型コロナウイルスによる顧客の激減という直撃を受けている飲食業や観光業およびその関連業ではないので,まだ持ちこたえられるとは思うが,月間100企業が倒産を続けている現在,仕事に対する不安がまず先に立つ。家庭を支えるのは,さらに困難が予想される。

 筆者には,まだ学生の娘が2人いる。一人は大学生,もう一人は高校生である。下の娘は,大学には進まないと言っており,専門学校を経由して専門の仕事を探すと思われるが,いずれにしても男性にとっても仕事探しが困難な時代において,今のままでは女性にとってはさらに難しい職業環境にあるように見える。

 本当に自立できる仕事はあるのだろうか,と考えたときに,男性でもアルバイト系しかないのが実情である。新卒採用も減らされ,一世を風靡した転職もほとんど夢である。残ったのは時給で働かされるブラック系企業なのかもしれない。それでも男性の場合は身を粉にしてなんとか付いていくという選択肢もあるが,女性の場合は身に危険が及ぶことも覚悟しなければならない。借金は絶対にしてはならない。

 社会を変革するような仕事を,女性にも提案してもらいたい。男性は,基本的に夢を追いかけ,そして大ホラ吹きである。それでも,ロケットを飛ばしたり,世界ネットワークを作ったり,巨大ダムを作ったりしてきた。お金を出す側,出資する側も,これらの突拍子もない考えを「事業への投資」という名前のギャンブルに加担して,結果を出している。

 もちろん,これらの実現の代償も大きい。戦争もそうだし,環境破壊,搾取なども進んでしまった。女性はその代償を少しでも減らそうと,陰の応援側で活躍してきたと思うが,新型コロナウイルスも相手として,ここは人類の踏ん張りどころであり,画期的な発想での地球運営が必要なのではないかと考える。男性のように,犠牲の上に自分の夢を実現する,という行動パターンでは,地球を破滅させるだけである。

 女性には今こそ真剣に,自立の道を模索してもらいたい。学校の運営を通じて社会にどう貢献できるのかをまず若いうちから考えて,社会を変えていってほしい。男性の発想は,お祭りなどのイベントを企画して人を集めて楽しませる,といった程度であるが,本当に短絡的な発想である。今,地域で問題になっている孤独老人の問題やちょっとしたことでも被害の拡大する地域災害の問題,ゴミ問題などを見つめ,ただボランティア的な活動をするのではなく,事業を提案し,大学や企業,自治体と順に拡大できる組織力を持つことが必要である。「そんなの私達にはできませ~ん」「ヤダー」ではなく,信念を持って取り組んでほしいのである。男性の力は不要である。

 「将来は可愛いお嫁さん」という発想をまず見直してほしい。自分たちの次の世代に本当につないでほしい世界にできるかどうかは,若い女性の考え方次第と思っている。そして,男性も「女性は便利な労働力」という考え方を早く捨て,真のイコールパートナーとしての信頼関係を築けるように努力すべきだろう。男性に「支配」「搾取」という考え方がある間は,これを乗り越えるための闘いは大変だとは思うが,リーダーシップを取れる女性が日本でも登場することを期待している。