jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

久住先生,話のすり替えは困ります

たまたまチラッと横目で見たテレビのワイドショーで,新型コロナウイルスのわかりやすい解説で知られたナビタスクリニック医師の久住先生が出演しておられた。今日の解説は,視聴者からの質問に答えるもの。「家でもマスクをする?」「電車のつり革を持たない?」という質問だった。

 家でもマスク?については,80%の防止効果があった,という論文の紹介があった一方で,「注意も必要」とのコメント。何を注意しなければならないのか,興味津々。筆者が期待した答えは,「外で使っていたマスクをそのまま使い続けると,マスクに付着したかもしれないウイルスを持ち込むことになり,注意してほしい」というものだった。ところが先生の答えは「マスクをし続けるとノドの乾きに気が付かないことが多く,脱水症状になりやすいから注意」というものだった。夏場ならともかく,この冬場にこのコメントはちょっと時期はずれではないのか。もちろん,冬場でも脱水症状がおきないわけではない。しかしそれは,暖房や部屋の乾燥によるものが主な要因ではないかと思ったりする。ウイルスの感染拡大の防止効果があるのなら,その点をもっと推奨してもいいのではないだろうか。

 電車のつり革を持たなければ感染しない,という点についても,「表面がツルツルしているスマホ画面は新型コロナウイルスが28日間も活性状態である」として,つり革を持たないからといって感染しない,というわけではない,という議論へのすり替えをされた。たとえば筆者は,アルコールシートを毎日持ち歩いている。スマホを使うときには表面を時々拭き取っている。スマホ画面は,基本的に自分しか使わない。したがって,不特定多数が触るつり革や手すり,エレベーターのボタン,エスカレーターの手すりなどをできるだけ触らないようにし,手洗いやアルコールによる手指消毒を励行すれば,スマホ画面にウイルスが付着する可能性は少ない。

 ちなみにもう一つの質問は「手指が荒れているがアルコールでの手指消毒はした方がいい?」といったもの。これに対しての答えは,「皮膚のバリア機構が壊れると雑菌が侵入する」からほどほどに,というものだった。せっけんによる手洗いの後にアルコール消毒もすると,皮膚の脂分が必要以上になくなって,皮膚のバリア効果がなくなることは以前から言われていた。ガサガサにならないように保湿も併せて心がける必要はもちろんある。アルコールに不適合な方もいらっしゃる。自分に合った方法で,できるだけ手指の消毒に努めるということでいいだろう。幸いなことに筆者は,アルコールで手荒れを起こすこともなかったので,アルコールを常備している。石鹸で手洗いできる時は,アルコールとの併用はしない。特に冬場は,乾燥しているので手荒れが起きやすい。保湿を心がけることはいつもの年と変わらない。問題は,手指の表面だけでなく,指の股や指先,爪の部分も,きちんと洗うことである。口や目の粘膜を手指で触ることで感染する可能性があるからだ。

 同じ番組で,マスクの人気ランキングが出ていたが,ウレタンマスクや布マスクで,冬場暖かいマスクや息がしやすいスポーツマスク,そして一番が保湿効果で顔の皮膚を保護するマスクの人気が高いというものだった。

 スポンサーの関係もあるのだろうが,ウレタンマスクや布マスクの感染拡大防止効果は不織布製のワンタイムマスクに比べて劣るということがすでに何度かスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションや実際にくしゃみをする実験などで明らかになっているのに,なぜまだ布マスクを奨励するのか不思議である。

マスクはファッションだと?笑わせるんじゃない! - jeyseni's diary (hatenablog.com)

とついこの間コメントしたばかりである。店頭でももう50枚500円ぐらいでワンタイムマスクが販売されるようになった。布マスクは繰り返し洗濯できるから清潔,という話だが,本当に毎日洗濯している人は,布マスク利用者のうちどれほどいるのだろうか。ワンタイムマスクを毎日交換することは確かに不経済で,環境にも悪そうだが,相手への感染拡大防止効果の高いワンタイムマスクを標準で使用してもいいのではないだろうか。ちなみに,久住医師のマスクの取り扱い方についての意見は,2020/8/7に発信している(このときは,久住先生の名前は出していなかった)。

「マスクの取り扱い方」の説明にまだ混乱あり--手指のアルコール消毒との併用がなければ無意味 - jeyseni's diary (hatenablog.com)

 やはり,公共の電波を使うのなら,最善策は何かをきちんと伝えるべきではないのか。はてなブログの筆者のブログも最善策を模索しているつもりである。「おためごかし」にならない報道が必要であろう。