jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

女性にとってのやりがい仕事を考える

前記事で,やりがい仕事を考える中で,SDGsな地球の将来を考える社会科学部が,人気急上昇なことを書いた。地球の将来というと,エネルギー問題や資源問題,環境問題など,工学部の仕事だと思っていたが,SDGsには人口問題,食糧問題,環境破壊,生物多様性,被災者サポートなど,文系や理学部,農学部など,幅広い分野の人材が総力を挙げて取り組まなければならない。やりがい仕事や得意技を持った人は強い。そして他人に優しくなれる。 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/27。

 やりがい仕事のためには,基礎知識がまず必要であると書いた。そして,30年,40年,その仕事に取り組めれば申し分ない。一般に男性は,challengingな仕事を選ぼうとする。しかし世の中,なかなかそううまくは行かない。家族を養うためには,rewardingつまりお金が入ることが第一に必要になり,やりがいがなくても仕事を続けなければならないことも多い。

 女性の場合,そのうち家庭に入ることを前提に考えてしまい,仕事を諦めてしまうことが多い。いったん家庭に入ってしまうと,たとえば10年後に育児から少し手が離れても,元の仕事に戻れる可能性が極めて低く,パート仕事に終わってしまう。「男女総活躍時代」だの「男女雇用機会均等」だの言っても,非正規の時間給仕事を女性にさせるだけになっている。

 一般企業で「人口問題,食糧問題,環境破壊,生物多様性,被災者サポートなど」に取り組んでいる会社はほとんどない。理学,農学分野であれば,研究職に進むことが望まれるし,社会科学を学んだら,できれば国連などの国際機関に進むしか今のところ道がない。たとえばフードロスを減らす活動をしたくても,専業の企業はない。世界的な取り組みになるので,GAFAの中でも物流部門を構築したAmazon.comを目指すことがその一つの道だと思うが,日本人として世界企業でリードするのは,なかなか難しいかもしれない。「Amazonアウトレット」を別建てにしてフードロス低減を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/3。

 筆者の知り合いには,個人としてアフリカの貧困村で子どもたちの学校を手伝いながら,村に新しい産業を起こそうと,養鶏の仕組みを作っている女性がいる。大学時代にイギリスの大学に留学し,そこでアフリカのことを知って,ボランティアで活動を続けている。言葉も大変だし,政情不安もあって身の安全も保証されない中で,明るく活動をされている。すごいなと思っている。他にも,ネパールの学校で子供の教育に取り組んでいる人もいる。これらの人の口からは,結婚の話が出たことがない。充実した仕事をしているのだと思う。しかし,rewardingではない。どこまで継続できるのか,企業化ができるのか,あるいはスポンサーが現れるのか,まったく不確実である。逆に,男性ではなかなかこの一歩を踏み出すことができない進路である。

 今は,政治の世界で男女の数を半々にしようという動きがある。女性政治家として活躍されている方は,法律の勉強をしてきたり,社会科学,人間科学などの基礎知識があるように思える。やはりその基礎知識が自分の力であり,自信にもつながっているように思える。地盤を引き継いだ二世議員や,馬力だけでのし上がってきた議員には,理論武装で戦うしかないからだ。

 東京大学の入学者の内の女性比率が2021年にようやく2割を超えたとしてニュースになった。男が捨てるべきもの,女が捨てるべきもの - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/19。1学年3000人のうち1/3の1100人が工学部で,とりあえずこの分野はGNPを支えるためにモノづくりをする会社・工場勤めをするのに男性中心にならざるを得ないが,文系1200人のうちの半分。理学系,医学系の600人のウチの半分は,女性であるべきだし,その就職先として,社会問題に取り組むシンクタンクコンサルティング会社,国際機関などをもっと整備すべきだと思う。正直,お金を動かすだけの金融業,サービスを提供するだけの飲食業やデパートなどの販売業,楽しみを販売する旅行業やホテル業など,SDGsと関係のない業種に女性が流れて行って,その先で「お嫁さん業」に落ち着いてしまうのが,とてももったいないと思う。せっかく,東京大学に進学したのなら,地球のためになる仕事を選んでみてはどうだろうか。

 男性も,資源を消費するだけのモノづくりではなく,資源を作り出し,エネルギーを作り出す業種をもっと真剣に選ぶべきだろう。繰り返しになるが,東大卒でゲーム業やクイズ業をしている人間の気が知れないと思うのである。地球の運命は,もう目の前である。日本の最高学府卒業生がそれに向かい合わずにして,何の価値があろうか。目を覚ましてほしい。それを取り巻くメディアが,東大東大ともてはやす単純発想にも,いい加減気がついて,目を覚ましてもらいたいものである。