jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

男が捨てるべきもの,女が捨てるべきもの

東京大学の合格者のうち,女性の占める割合が2割を超えた,ということがニュースになった。

東大前期、2993人合格 女性は2割、「通過点」と副学長:東京新聞 TOKYO Web 2021/3/10。

 このニュースは,「女性比率が低い」と伝えることを意図して取り上げられたものと思う。折しも,オリンピック組織委員会の男女構成比をほぼ同じにしようとか,男女雇用機会均等法への実感の男女差とか,ここのところジェンダーギャップの話題が多い中の一つの流れかと思う。

 東大など国立大学の場合,まず理工系の定員の方が多い。東大の場合,学部全体の定員は約3,000人。文系は1,200人,理系は1,700人である。理系の1,700人のうち理科一類は1,100人。理科一類というと,専門コースでは物理系・化学系・工学系,理科二類は生物系・化学系,理科三類は医学系である。

 現時点で,工学部系の進路というとメーカーのエンジニアである。このキャリアを選ぶ人は,ほぼ男性である。

 メーカーでも,設計職,プログラマー職は力仕事ではないので,女性でも進路はある。建築系の設計者,IT系プログラマーなどである。しかし,メーカーのメインの仕事は女性には向いていない。力仕事,汚れ仕事,屋外仕事も多い。3K(きつい,汚い,危険)と呼ばれる仕事も多い。しかも,トップ大学と言えども,学部卒では現場配属になることが多く,研究職,設計職に行きたければ,修士号は必要とされる。学部卒で肉体仕事しか待っていない学科に,あえて進もうという女性は少ない。

 とすると,理科一類の約1,000人が男性だとすると,残りが仮に男女比が1:1だったとしても,33%が最大限,ということになる。理三も男性が多いだろう。

 工学系といっても,日本のメーカーの弱体化は甚だしい。IT系,AI系,バイオ系などは頭脳労働であり,男女差は関係ない。この分野の社会での受け皿が増えなければ,女性が理一に進むインセンティブがない。しかし,電機系企業やコンピュータ系企業も,そのプラットフォームが海外製であり,それに乗っかったモノづくりをするか,海外生産のマネージメントをするか,というネゴシエーション職が中心となっている。相手と闘い,駆け引きしながら調整点を見つけるという「タフネゴシエーター」には,体躯の大きな男性が適しているというのが,現在の状況である。

 生物系,バイオ系にも,優れた学生が進学してくる。特に優秀な学生が女性であることが多いという。もともと,コツコツとした勉強が好きで,基礎がしっかりしているため,応用分野も得意である。しかし,修士コース,博士コースに進んでも,キャリアを積むことは珍しいという。学閥の壁,ヒエラルキーの壁,そして男性中心社会の壁が女性の進路を妨げる。

 筆者がこの「はてなブログ」を始める以前に,「女性だけの街を作ろう」というホームページを立ち上げたことがある。男女が一般生活を含めて共存している状況で,男女平等を実現するのが難しいと考えたからである。 男と女、本当に同じDNA なのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/6。女性だけの街は,仕事をするための街である。一般生活はこの街の外で行い,仕事のためにこの街に入る。その代わり,力仕事や汚れ仕事もすべて女性が担う。男性に気を遣う必要もない。経営から末端の仕事まですべて女性が担うのである。逆に,男性に媚びる仕事はない。化粧もファッションも,男性を意識したものである必要はなくなる。

 国会や地方議会で,女性議員の服装が問題になることがある。派手だとか胸が開きすぎているだとかを指摘されて,それがセクハラ問題になることもある。新型コロナウイルス対応で先頭に立っている小池百合子東京都知事の服装にしても,事務服を着用しながら女性らしさを失わない。一方,橋本聖子オリンピック組織委員会新会長の服装は,スキがなく,威厳すら感じさせる。表情も,周囲に媚びることがない。リーダーとしての力を感じる。

 一方,男性議員はといえば,スーツにネクタイ,腕組み,脚組みでふんぞり返っている。会社員も同じである。経営者も労働者もスーツ姿である。そして新入社員も,スーツにネクタイを決めれば一人前であることをアピールできる。馬子にも衣裳である。

 しかし,女性はスーツ姿をしても,残念ながら社会では一人前とは見られない。化粧やマナーも強制され,これを受け入れざるを得ない。受け入れることでハラスメントから逃れられるが,精神的にマウンティングされた状態に置かれる。これが男性中心社会の構図である。

 女性はまず,男性に媚びる形となっている服装や化粧をもう一度見直してみてほしい。華美になってむやみに刺激を与えていないか,スキはないか。自分が満足できる範囲で着飾るのはいいだろうが,周囲への配慮は必要である。

 一方男性は,多くのことを捨てるべきである。まず,スーツとネクタイを捨てよう。これが周囲に対する最大の圧である。逆に任侠をイメージさせる格好もやめるべきである。サングラス,黒シャツ,白スーツなどである。さらに歩き方もガニ股・O脚は矯正すべきだろう。

 そして,清潔さを演じよう。最近流行りの脱毛もありかと思う。ヒゲは剃り,髪型もノーマルなものにする。モヒカンや刈り上げ,坊主頭,カラーリングは禁止である。逆に,ハゲや白髪,グレーヘアも,相手に対する圧になることを認識して対応する必要がある。要は「オシャレ」に目覚めよということでもある。

 話し方については,男女とももう一度考える必要がある。ハイテンションな話し方は,相手をイラつかせることがある。逆にドスの効いた低い声は,相手にマウンティングする。ノーマルな話し方を身に着ける必要があるだろう。媚びず,脅さず,協調性を示しつつ自己主張もする,という話術が必要だろう。一方的にマウンティングしてくるワイドショーの司会者は,最悪である。

 身近な人との付き合いの中で,自分が相手に対して優位に立とうと思っていないか,相手からだけ利益を受けていないかなどについて,相手の信号を必死に分析して,対等となる発言と行動を取ることが,これからの社会に求められる。

 相手を肩書を付けて呼んだり,逆に「くん」付けで呼んだり,そして「○○先生」と呼んだりすることは,相手に対する忖度であったり,マウンティングであったりする。フラットに「さん」付けを心がけると,世の中が変わってくる。

 男性は,ふんぞり返っていてはまずダメである。まずスーツとネクタイをやめられるかを考える。やめられないとするとそれはなぜか,やめずに済ませる方法はないか,を考える。そうすると,答えが出てきそうな気がする。