jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

やりがい仕事や得意技を持った人は強い。そして他人に優しくなれる。

仕事と一言で言ってはいけないと思う。やりがいのある仕事もあれば,やりがいのない仕事もあるからである。

 仕事は「Work」だと思ったのだが,英語ではやりがいのある仕事は「A rewarding job 」とか「A challenging job 」というようだ。「A worthwhile job」ともいうようだ。

 むしろ,Workは「作業」という意味もある。なんとなく,一日中同じことを繰り返しているようなイメージである。

 子供のころから学校に行き,いろいろなことを学び,自分のやりたいことを見つけて,社会人になる。社会人生活は長い。仕事人生は20歳から60歳までの約40年。今はもっと長くなっている。やりがいのある仕事を続けられることが理想だが,なかなかそうも行かない。業種が変わらない同じ会社に勤めたとしても,仕事はどんどん変わる。最前線に立っていた立場から,銃後で旗を振る管理職になれば,同じ分野でも得意ではなくなるかもしれない。

 しかし,得意分野でも40年続けるのは,しんどい。芸術系で続けられるのは,ごく一部である。作風が変わると自分でも納得いくかどうかわからない。他人からの評価が気になる。そのストレスを跳ねのけながら続けなければならない。スポーツ選手系も同様である。身体的にいつまで続けられるのか,ということを考えると,20歳代がピークで,あとはいかに能力を落とさないか,あるいは別の能力をつけるかしかなくなる。

 一方,作業としての仕事は,慣れていくまでは面白かったりするが,行き着くところまで行くと面白みがなくなってくる。それ以上のことがなく,逆にベテランと言われるようになると,間違いやミスをすることができなくなる。仕事自身が重荷になってくる。仕事に慣れるのに,数ヶ月かかるとして,これをあと40年続けるか,という気持ちになってくる。小学校から高校まで12年,そのあとすぐ,あるいは大学で4年考えたあと社会人になったとしても,そのあとが長いのである。

 今,大学では学部選びにちょっとした変化が生じているという。文系の志望学部としては,政治学部,経済学部,経営学部というのが普通だったが,「社会科学部」という学際系の学部の人気が急上昇しているのだそうだ。早稲田で起きた“下剋上” 不人気だった学部が注目浴びる理由〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース 2021/3/26。

 環境問題や貧困など社会の課題に取り組むために,幅広い基礎知識を大学で身につけて社会に出ることができる,というのがその理由だそうだ。国を動かす政治,経済,そして社会利潤をもたらす経営というそれぞれ,社会人としてやりがいのある道だが,どちらかといえば柔軟な発想ができることが求められる。これに対して社会問題は,知識と感性が幅広く求められる。コンサルティング的な仕事であり,柔軟に対応できる能力が求められるからだろう。

 法律的な知識を元にさまざまな場面に対応できる人が弁護士というコンサルタントになれる。理系と違って,人が相手になるだけに,人間性も求められる。社会人として一番難しいところである。

 理系は,基本はまず知識である。問題を解決するために,理数系の知識や解答能力がベースに必要である。その能力を生かせるのが研究職ということになるが,研究も「成果」を出すことが求められる。従来は,基礎研究で何十年も同じテーマに取り組めたが,現在は応用研究や企業との共同研究が中心になり,短期間で成果を出すことが求められる。これもしんどい仕事である。

 筆者は,理系大学で学び,その学科の知識を生かせる専門メディアの世界に進んだ。仕事相手は,大学や企業の研究者や技術者だが,言っていることは理解できることが強みだった。技術がどんどん進歩していったが,常に最新情報にキャッチアップできており,約30年にわたって同じ仕事だったがやりがいがあったと感じている。その後,大手メディア会社を早期退職し,現在は弱小な理工系出版社でかなり分野違いの仕事をしているが,大学や研究機関の研究者を相手にしていても特に引け目を感じることはない。ありがたいことだと思っている。

 Rewardingの中には,仕事の充実感とともに,収入が得られることが必要である。いくら仕事が充実していても収入が得られなかったり,逆に収入は得られても充実しない仕事もある。仕事の相手が人なのか,モノなのかによっても。,そのやりがい度は変わってくる。

 筆者はもともと関心はなかったが,医者という仕事はかつては非常に収入を上げられた。社会的な地位も高かった。自分の知識と診断と判断で,病気や怪我から人を救うというやりがいのある仕事である。しかし近年は,一般会社員とそれほど収入が変わらなくなっている。その割に,社会的責任が重くなったり,仕事の拘束時間が長くなりがちだったり,さらに高度な医療知識を学び続けなければならないこと,それに伴う高額な機材への投資が必要になるなど,やりがいはあっても,しんどい仕事になってきている。特に2020年からの新型コロナウイルス禍における医療関係者の重責や過酷な労働により,医学,看護学系への進路を目指す人に変化が出ているらしい。

 数年前に,「将来なりたい職業」の第1位にユーチューバーが来たときには,正直驚いた。前頭葉とゲームそしてeスポーツ考 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/11/9。一方,このときのブログではeスポーツを中国やアメリカでは専門学校として教育していることを伝えた。すでに世界で何十人かのユーチューバーは大儲けをしたのだろうが,これを何十年も続けることはおそらくないだろう。そのあとはどうするのだろうか。悠々自適生活を送るだけなのだろうか。

 それでもっと問題視しているのが,東大卒のクイズ王,雑学王などである。東大の悲劇。官僚,クイズ起業・・・税金の無駄遣い - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/6。雑学,クイズはエンタテインメントである。もともと,多くの雑学を詰め込み,大学でも雑学に励んで,テレビやWebで金儲けをする。そんなために,東京大学に進んだのだろうか。これが東大卒の「やりがいのある仕事」なのだろうか。もっと気になるのが,東大医学部在学でのクイズ番組出演である。こういう人が将来,医療分野で先生をするのか,と思うと,恐ろしい気がする。命を預けられない。医療分野に進まないとすれば,それは税金泥棒である。

 地球の環境破壊を止められるかどうかの分岐点が2030年だという説がある。遅い!遅い!(もう遅い?) - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/27。この人達は,あと10年で稼ぎまくって,そのまま逃げるのだろうか。

 SDGs(持続可能な社会つくり)が今の世界にとって喫緊の課題である。これに反する行為,仕事はすべて,犯罪である。東京オリンピック開催も,漫才エンタテインメントも,ミサイル外交も,人権侵害も,本当に今,こんなことに関わっている時間はもうないと思うのである。