jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「自民党総裁→総理大臣→日本の代表」という構図を変えなければ,日本は生き残れない--世界の中の日本という視点は,海外を体験しないと得られない

自民党総裁選の立候補状況の報道が盛んに行われている。出たい人が断念したり,出ないと言っていた人が白紙に戻したり,それをワイドショーや政治評論家,そして政治にほぼ無関係なコメンテーターが揚げ足取りの尾ひれをつけて,時間稼ぎをしているように見える。

 アメリカ大統領は,議員経験者や地方自治体の長,司法長官などの要職を経たり,トランプ氏のように企業創業者だったりするが,常に国際問題と隣り合わせである。イギリス首相は,二大政党制の一方の長であり,闇の政府を作って常に世界の動きに合わせて政権運営するための準備をしている。常に自国と世界の両方を見ながら,政権をどう運営するか常に考えている。

 世界の主要国は,軍隊を持っている。軍隊は自国のためではなく,世界の均衡を保つためにどう運用するか常に考えておかなければならない。有事にただちに動かせる決断力が必要である。

 ところが,日本のトップには,「世界を見る」という視点が基本的に皆無である。軍隊ではない自衛隊は,基本的に自国のためである。世界のどこかで紛争が起き,テロ事件が起きているというのに,そこに日本人がいない限り,基本的に出動することはない。出動命令を出すこともない。災害が起きても日本人がいなければ出動しない。隣国からのミサイル発射にはピリピリしているわりに,基本的に何の対策も打てない。もう十分にピンポイントで狙えるだけの精度を実現しているのにである。

 候補者の中で世界に接点があったのは,岸田文雄(元外務大臣),石破茂(元防衛大臣)である。日本の代表として「今」ふさわしい人が選ばれるべきだと考えると,どうだろうかと考えてしまう。河野太郎(元外務大臣防衛大臣)も対外交渉力に評判がある。菅義偉氏は党内調整が中心だったので,世界情勢の中で動きが取れていない感じがある。

 同じことは,野党党首にも言える。まともに日本の代表として世界の舞台に立てる人材がいない。

 これが日本の政治の人材不足である。地盤,看板,カバンだけで地元にしがみついてきた人間が,世界に向けてメッセージを発信したり,世界の要人と対等に渡り合えるのかといえば,それは無理というものである。

 そういう意味では,東京都知事である小池百合子,前知事の舛添要一など,海外経験のある政治家は稀有である。筆者が次世代と期待している吉村洋文(大阪府知事),鈴木直道(北海道知事),そして同じく若手で台頭した熊谷俊人(千葉県知事),齋藤元彦(兵庫県知事)も,残念ながら留学経験などがなさそうである。

 筆者は,上司の勧めで応募したプログラムで選ばれ,社会人になってから1年間のアメリカ留学のチャンスを得た。学生という立場で大学に通い,ジャーナリストという立場で講義を受けながら日米の違いを体感した。アメリカ人家庭に下宿し,生活を共にし,さまざまな行事を体験し,各地にショートトリップにも行った。学生として友人もできた。キリスト教という文化にも触れたし,多民族国家としての人種差別問題にも出会った。女性の活躍している姿も普通に見ていた。また自然の壮大さも肌で感じた。東京や大阪では経験できないマイナス20度といった気候も経験した。

 あっと言う間の1年だったが,海外で生活した経験はあちこちで顔を出した。自分の人生の方向を変えることはなかったが,その後の多言語交流活動などにも抵抗なく入っていけた。子どもたちにも海外留学経験をさせた。多くの海外経験者が,新しい日本を背負っていってほしいと思っている。

 派閥争いではなく,本当に今,日本にとって必要なリーダーは誰か,という視点で,できれば国民投票で日本の代表が決められることが望ましいと考えている。