jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

次の有事に日本はどう備えるべきか--世界に対してSDGsの具体的な提案と実行で日本の存在意義を明確にせよ

北京冬季オリンピックは明日2022/2/20に閉会式を迎える。パラリンピックは引き続き3/4~3/13の開催である。

 同じ時期に,ウクライナを巡る軍事緊張が最高潮に高まっている。オリンピック期間中は軍事演習を続け,一部撤退が報道されたが,全面撤退ではない様子である。

 北朝鮮は1/30に中距離弾道ミサイル「火星12」を発射した後,オリンピック期間中はナリを潜めている。1月中に7回もの発射実験をおこなった目的は何だったのだろうか。

 コロナ禍におけるロジスティクスの混乱で,世界のエネルギー供給態勢が危険な状態にある。中東諸国による石油の減産,SDGsによるLNG需要の拡大に供給が追いついていない状況もある。

 サイバー攻撃はひっきりなしに続いている。アメリカとロシアの間でも水面下で激しいせめぎ合いがおこなわれている。

 トンガで1/14に起きた火山島の噴火で,自衛隊輸送機が救援に出発したのが1/21。しかし,隊員のコロナ感染や飛行場の不具合などで支援が遅れた。輸送艦おおすみ」が出発したのが1/24で,現地到着が2/8。輸送機隊は2/19に現地を撤収した。

 そのコロナ禍。世界各国はオミクロン株に対して3回目ワクチン接種の前倒しでピークアウトを早めに迎えるとともに行動規制の緩和で経済をいち早く回復しているのに対し,日本はピークで高止まりのまま,重症者,死亡者の拡大が継続し,医療逼迫が進んでいる。

 アメリカもロシアもヨーロッパ諸国も,オリンピック,コロナ禍に加えて,ウクライナ問題やエネルギー問題を同時に抱えている。アメリカは,中国や北朝鮮,そしてIS(イスラミック・ステーt)とのせめぎ合いを続けている。中国は,台湾や香港とのせめぎ合いを続けている。イギリスは,EU離脱以来,国内に不協和音が続いている。世界各国が,常に他国との微妙なバランスの中で,コロナ禍とSDGs問題に立ち向かっている。

 これに対して日本は,コロナ禍で右往左往している。ワクチン接種は進まない,検査キットは足りない,医療は逼迫している。重点措置を解除するだの延長するだの,ワクチン接種タイミングを何回もかけて短縮するだの,目先の対応だけに終わっているような気がする。SDGsに対する日本ができるはずの答えも出していない。

 北京冬季オリンピックが明日終わった途端に,北朝鮮がまたミサイル実験をする可能性があるというし,ウクライナ情勢も一髪触発と言えなくもない。

 大雨が降れば一級河川の堤防決壊を起こす,大雪が降れば幹線道路で大渋滞が起こる。有事の備えをするだけの経済的余裕がないという,なんとも貧乏国になったものだと情けなく思う。

 結局,世界が常に有事に対して備えをしているのに対し,日本は「世界情勢を様子見」している間に常に遅れを取っているのを感じる。様子見していても,その対応を一気にできれば挽回できるのだが,その対応の余力がほとんどない。経済力も緊急対応力(救助隊の力)も圧倒的に弱い。常に,「国民がガマンしてくれるだろう」ということに頼って何もできない状況になっている。

 もともと資源のない日本が,世界の中で力を持てるのが製造業のモノづくりと輸出による外貨の獲得だった。このビジネスモデルは完全に破綻してしまったのだが,それに代わるモデルができないまま,世界の渦の中に飲み込まれつつある。研究開発力も地に落ちている。基礎研究もできなければ,応用展開するための資金源もない。

 今の日本は,堤防の壊れた河川や防波堤の壊れた海岸の都市のような状況のように見える。有事になれば,おそらく何の手も打てないまま,飲み込まれてしまうのではないだろうか。

 コロナウイルスに対して,残念ながら日本は何の情報発信もできず,常に受け身である。筆者は,あとはSDGsに対して,水素燃焼発電の早期開発と普及,陸上養殖や植物工場などの安定的な食料生産手法の開発と普及,グリーンランドツンドラなどの氷の維持のための技術供与と設備構築など,新しいビジネスモデルを展開すべきだと考える。

 リアルな火器による戦争や,バーチャルなサイバー戦争,そしてロジスティクスの分断による兵糧攻め,そして地球温暖化による大災害など,危機は目前に迫っている。せっかくの外務大臣経験者である岸田文雄首相の手腕が一向に見えないのがもどかしい。これまで2年間のコロナ禍で,ワクチン開発の不備,医療態勢の硬直化,デジタル化の遅れなど,日本の問題点を理解されていたのではないのか。これらに大鉈を振るい,大上段に構えてぶった切ることを期待したのだが,なかなか動かないのはどうしたことだろうか。幸い,大臣クラスに不届き者が出てきていないのだから,どんどん政策を進めてもいいのではないか。