jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

東大生が選ぶ「世界を変える人」の中に東大卒が1人しかいない件--東大出身では世界は変えられない

2022/1/12,TBSで放送された番組「東大王」。『今年活躍すると予想される人物ベスト20』がクイズとして出題された。現役東大生351人からアンケート調査をしたものだという。元情報は,【東大王】現役東大生が選ぶ2022年に世界を変える人物ベスト20 | テレビから始まるエンタメ情報。ランキングの部分を抜き出して,並べ直したのが以下である。

1位 大谷翔平(メジャーリーガー)
2位 岸田文雄(総理大臣)
3位 藤井聡太将棋棋士
4位 新庄剛志日本ハムファイターズBIGBOSS)
5位 イーロン・マスク(実業家)
6位 羽生結弦(フィギュア選手)
7位 ジョー・バイデンアメリカ合衆国大統領
8位 習近平(中国国家主席
9位 鈴木誠也広島東洋カープ
10位 久保建英サッカー日本代表
11位 北条義時鎌倉幕府の2代執権)
12位 伊沢拓司(クイズプレイヤー)
13位 グレタ・トゥンベリ(環境活動家)
14位 マーク・ザッカーバーグ(実業家)
15位 平野歩夢(平昌五輪 銀メダリスト)
15位 三苫薫(サッカー日本代表
17位 オズワルド(お笑い芸人)
18位 牧島かれん(デジタル大臣)
19位 松本杏奈(スタンフォード大学生)
20位 前澤友作(実業家)
番外編
・若宮正子(プログラマー
妹島和世(建築家)
・宮下芳明(明治大学教授)

 「世界を変える人物」という聞き方が悪いのか,現役東大生の思量というのはこの程度のものなのか,単に“すごい人”ランキング,“話題の人”ランキングに過ぎないではないかと見える。小学生の「将来なりたいモノランキング」と大差ないではないか。政治家が4人,スポーツ選手が7人,同年代の若者が3人。東大王の先輩やお笑い芸人が1人ずつ入る。

 今必要なのは,地球温暖化への取り組みだが,エネルギーを事業の1つと位置づけているイーロン・マスク以外は,環境活動家のグレタ・トゥンベリが入っているものの,前者は太陽光発電,蓄電池,EV(電気自動車)の独占を画策し,後者は世論を煽る扇情家でしかない。

 SDGsに基づいて人類の格差をなくす取り組みに関わっている人はだれもいない。世界を震撼させているCOVID-19対応ワクチンの開発という偉業にも触れられていない。おまけに,大金を使って地球を捨てようとしている日米の実業家が支持されている。北条義時に至っては,配役の小栗旬が好きという票が集まっただけではないのか。おまけに,東大とはまったく格の違うスタンフォード大学に地方都市から合格した学生のブログの言葉が新鮮に映るという情けなさである。

 かつてクイズ王と言えば,単なる雑学好きだった。学歴など関係なかった。だからクイズ番組も楽しめた。あれだけ学歴偏重は問題だと言われていながら,東大を持ち上げ,有名私立大学を持ち上げて番組を作る。筆者には,「この大学に入るには,雑学の能力が必要なのだ」ということだけしか見えない。

 そもそも,スポーツでも大学対抗を大々的に行っているのは,関東地区だけではないか。東京六大学野球箱根駅伝早慶戦など。結局,民放テレビ局や大手新聞社の売名事業に乗せられているだけではないのか。

 筆者は,学生のころ,そして今でも,「世界を変えるのは自分だ」と思っている。もともと,日本の公害問題に技術で立ち向かおうと工学の道を選んだ。しかし,複数の製造業系の企業に就職活動をしたが,何かその会社の歯車になるのが体質に合わないように思えた。ジャーナリズムという道を選んで,ものづくり企業を情報でサポートするという仕事に就き,自動化,マイコン化,技能の継承,省エネなどのエネルギー問題,そして世界最先端の半導体技術やディスプレイ技術,そしてソフトウエア技術などを情報として展開するという仕事に取り組んだ。メディアのデジタル化の先駆的な活動もしてきた。正直,誰かほかの人が世の中を変えるのを指をくわえて見ているのなら,大学には行かない。

 「東大王が世界を変える」とはとても思えない。東大生がスポーツで一流になることはほとんどない。イーロン・マスクマーク・ザッカーバーグ前澤友作は,単に金持ちを挙げただけではないのか。3人目は単なる金持ちだが,再生可能エネルギープランやメタバースといったパラダイム・シフトが世界を変えることを意味するのであれば,前者2人がトップ2になるような支持があっていいはずである。

 家族は,筆者が東大を目の敵のように批判するのを苦々しく思っており,いつも筆者は逆襲される。しかし正直,気骨のある人物を東大が輩出しているようには見えないのである。すべての努力を東大合格のために使い果たし,入学後は「東大」のラベルを付ければ世の中の人がへへーと頭を下げるだろう,と思って,何もしなくてもカネが手に入り,ノホホンと人生を楽しむのが東大卒のように見える。まあ皇室や貴族のような生き方である。「鶏口となるも牛後となるなかれ」--国の政権を担う前にまず地方の長の経験を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/11/30。不景気になると,公務員が真っ先に選ばれる。安定・安心かもしれないが,人生の面白さは半減するのではないかと思うのである。常に前向きに課題に取り組んで世の中を動かしていくという気概がほしい。マネーゲーム,不動産投資などで人の失敗分を横取りして生きていくカネの亡者にもなりたくない。「儲けの半分は社会還元」するような豪快な生き方をするのなら歓迎だが。とりあえず,ランク入りしている3人の実業家には,その気持ちもないようである。